15周年を迎えた「夏目友人帳」神谷浩史井上和彦がシリーズ初期を回顧

シリーズ第七期の制作が発表された人気シリーズ「夏目友人帳」。その「リバコメ!!×アニメ『夏目友人帳』アニメ化15周年記念イベント」が、12月2日に東京・三井大手町ホールで開催された。ステージに登壇した神谷浩史(夏目貴志役)、井上和彦(ニャンコ先生・斑役)、総監督の大森貴弘が、トークやゲームなどを繰り広げた昼公演の模様を紹介する。

冒頭で、15年前のスタート時を覚えているか聞かれた神谷は「覚えていますよ」と即答。「逆に始まった頃やオーディションのことは覚えているんですけど、それ以降は必死だったので覚えてないです」と人気シリーズの重圧に苦労していることを伝えると、井上は「15年経っても学生役のままでしょ、大変だよね」とロングシリーズを担当する声優ならではの苦悩に共感した。監督とも相談したという神谷は「一期のことをこうだったな、って思い返しながら芝居をするよりは、その瞬間にできる一番いい芝居を提案できればと思うようになりました」と胸の内を明かした。

ファン投票によるリバイバル映像では、第一期の第二話「露神の祠」が上映。オープニング映像とともに「懐かしい」と話す神谷は「クールな役での起用が多い時期だったので、夏目みたいな普通の少年の役をやれることがすごく嬉しくて、充実感があったのを覚えてます」と感慨深げに語った。当時を振り返って大森総監督は「休み時間にセリフの練習をしているのが印象的でした」と神谷の印象を話すと「必死だったんですよ。ナレーション、モノローグ、セリフが目まぐるしく変化するので、再現の仕方が合っているのか、ずっとやってましたね」と弁解。そんな神谷に井上は「神谷くんって真面目だったんだな~あの神谷くん、どこ行っちゃったの?」と観客の笑いを誘った。

普段から現場で井上とのやりとりは多いとのことで、ニャンコ先生の映像を見ながら「こちらが真面目に芝居しているのにネコが後ろでうるさいんですよ」と神谷が指摘すると、大森総監督も「テストの大事な時に急にネコが割り込んできます」とアフレコ現場の様子を告白。出番が多い神谷と井上はスタジオにいることが多いそうで「2日間かけて劇場版をやらせてもらったときは、休憩もないし食事もできなかったのに、ロビーは差し入れが多くてパーティーみたいでした」とうらやましそうに神谷が語ると、井上も何役も演じ分けていた心境を語り、「ニャンコ先生のむちゃぶりが多くて...、夏目になったりとかね」と苦労話に花を咲かせた。

続く質問コーナーで、演じているニャンコ先生と斑の共通点を聞かれた井上は「いいかげんなところですね。大きな愛で夏目を見守っているところは見習いたい」と語ると、さらに自分との共通点を聞かれ、「ニャンコ先生に出会って自分自身の生き方が楽になりました。普段もニャンコ先生みたいな生き方や振る舞い方をすることが多くなって、何かあっても"なんとかなるや"みたいに考えるようになりましたね」と心境の変化を明かした。また、作品と関わったことで「酔っぱらいのおじさんをよく見るようになりました。自分が酔っている姿はわからないので、人の酔っている姿を見て、役に使えないか気にするようになりました」と影響を受けていることも語った。

その後は、映像セリフ当てクイズや抽選会を実施。大森総監督は「15年ずっとやってこれたのもファンのみなさんのおかげです」と感謝を述べると、井上は「始まった当時はこんなに長く続くとは思っていませんでした。長いことこの作品に携われて幸せです」と話し、「どうぞこれからもよろしくね!」とニャンコ先生の声でコメント。最後に神谷は「すごくいい作品に関わらせてもらっている実感があります。ずっとやりたいなと思っている作品なのですが、続編が何度もあるうちに、いつからか『お疲れさまでした』って言っても、また会えるんじゃないかっていう期待を持つようになりました。そういう作品はなかなかないので、すごく幸せな声優人生を過ごさせていただいているなと思っています。またテレビでお会いできることを楽しみにしています」と締めくくり、拍手に包まれる中、ステージを後にした。

取材・文=永田正雄

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夏目友人帳

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