神谷浩史がネイチャードキュメンタリーの魅力を語る「映像としての価値が残り続けるもの」

「プレデター・ランド」のナレーションを担当する神谷浩史
「プレデター・ランド」のナレーションを担当する神谷浩史

さまざまな野生動物の生態や雄大な自然を、人気声優陣のナレーションと共に紹介する番組を数多く放送しているナショナル ジオグラフィック。7月14日から毎週木曜20時より、「ワイルド ネイチャー:プレデター・スペシャル」と題し、時に人間を襲う捕食者たちの生態に迫る、日本初放送の番組を3ヵ月に渡って放送している。

その中で、2万平方キロメートルに及ぶ貴重な動物たちの楽園として知られる南アフリカ共和国にあるクルーガー国立公園を舞台に、ライオンやヒョウ、チーター、ブチハイエナ、リカオンといった捕食者たちの生態に迫る全3話のシリーズが「プレデター・ランド」だ。本作のナレーションを「うらみちお兄さん」の表田裏道役や、「進撃の巨人」のリヴァイ役などで知られる声優・神谷浩史が担当。

今回、ナレーション収録直後の神谷に、番組の感想などを聞いた。

――今回ナレーションを担当した番組を初めてご覧になった時の率直な感想を聞かせてください

「僕が子供の頃は地上波でもこのような番組が放送されていたこともあって、僕らの世代にとっては弱肉強食といった野性動物たちの生態系って、割と当たり前のものとして認識されているんですよ。ところが昨今は、ナショナル ジオグラフィックなどの有料チャンネルでないと、ハイクオリティなネイチャードキュメンタリー番組を観ることができなくなっているんだ、って一瞬思っちゃったんですよね。以前も別のタイトルのナレーションを担当させていただいたことがあるんですが、今回は3本という短いシリーズではありますが、すごく充実した仕事の時間を過ごせたなぁっていう感覚がありました」

――オリジナルのナレーションは参考にされましたか?

「これがちょっと難しくて。原音のニュアンスはもちろん大切にしているつもりではあるんですよ。"割と低い声で淡々と喋っていく"みたいなドキュメンタリータッチのものではあるので、それに倣って僕も落ち着いた感じで説明に徹するというところは狙ってはいます。ただ、バックで流れている音楽が、ほんわかしているというか。和やかなシーンに見せたいんだなっていう演出意図をなんとなく感じるんですが、原音のナレーターさんは割とシリアスな感じで淡々と進んでいくので、『日本語としてはどっちを取るべきなんだろう』と思いました。けど、そこはそこで音楽に任せてしまってもいいかなと思いつつ、割と柔らかく出せるところは出してもいいかな、みたいな日本語ならではのニュアンスみたいなものもちょっと加味しました。

けれど、基本的には原音のニュアンスの落ち着いた感じで目の前で行われている出来事に対して説明していくことは意識しましたね。ドキュメンタリーという番組上、動物たちの立場を等しくしていかないと見てる側が混乱してしまうと思うので、原音のナレーターの方はフラットな立ち位置でナレーションをされているのかもな、と思いながらナレーションをつけさせていただきました」

――今回のシリーズは野性の肉食獣が主人公ですが、今までペンギンやカラカルなど、可愛らしい動物が登場するプログラムのナレーションもご担当されてきましたね

「個人的にはどちらの動物も好きなんですよね。自然界の出来事でもドキュメンタリーとして撮影すると、捕食されてしまう側にカメラが向いているとかわいそうと思うし、捕食する側が獲物を逃すと残念って気持ちに当然なってしまうと思うんですよね。そういった意味でも、カメラが向いている方向によって受け取り方が全く違ってくるのがネイチャードキュメンタリーの面白さだと思います。ペンギンだって、可愛い見た目をしていますけど、あんなに苛酷な環境に住んでいる野生動物ですからね(笑)」

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放送情報

プレデター・ランド
放送日時:2022年9月15日(木)20:00~
チャンネル:ナショナル ジオグラフィック
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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