神谷浩史がネイチャードキュメンタリーの魅力を語る「映像としての価値が残り続けるもの」

――ナショジオのネイチャードキュメンタリー番組についてはどんな印象がありますか？

「とても好きですね。人間の純粋な知的好奇心を満たすための番組って、『すごくいいものを観たな』っていう気持ちになるんです。今、ナショジオさんで放送される番組も含めて、多分、時代によって動物たちの生態に関する研究結果や撮影技術も進化していると思うんです。そういった意味でも、一度放送したら終わりという番組ではなく、『ある特定の時代に撮影された野生動物の生態を収めた映像』というアーカイブとしての価値は残り続けるような気がしますね」

――ご自身が思う、日本語吹き替えナレーションのお仕事の魅力を聞かせてください

「原音のニュアンスというものを大切にしつつ、日本語的に理解しやすい何かは加味した方がいいなと思うんですよね。あくまで原音に忠実にということを念頭に置いて作られてる作品も当然あるんですけれど、せっかく日本語で伝える以上は、日本人が見てわかりやすいものを作るべきだと僕は思っているんですね。もちろん、何か全く違うものに作り変えてしまうのは違うと思いますが、ニュアンスがきちんと伝わるのであれば、別な言葉に変えたとしても問題ないんじゃないかなと僕は思っていて。今回、収録させていただくにあたって『日本語としてちょっとわかりにくくなってる気がしますけれど、どうでしょうか』っていうことを質問させていただいた時、『では、こんな風に変更します』と、すぐに対応していただけるスタッフさんだったので、『ちゃんと僕が思う日本語吹替版っていうものが作れる環境にあるんだな』ということは思いましたね」

――最後に、番組をご覧になる視聴者の皆さんにメッセージをお願いします

「野生動物を知る上で、今の時代の技術を駆使して撮影された資料として、非常に価値のある映像です。もちろんエンターテイメント作品でもあるので、間違いなく『面白い！』と思っていただけると思います。学術的にもエンターテイメント的にも非常に上質な映像作品に仕上がっているので、ご覧になっていただけたら嬉しいです」

取材・文＝中村実香

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