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「チ。 ―地球の運動について―」アルベルト役の石毛翔弥が語る、好奇心が刺激される瞬間とは?「この仕事が僕にとっての命を懸けるもの」

声優

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TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」アルベルト役の石毛翔弥
TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」アルベルト役の石毛翔弥

――アルベルトは物語が進んだ23話で初登場しますが、途中で物語に入るということに対する難しさはありましたか?

「いや〜もうそれは大いにありますね(笑)。しかも、収録現場にいたわけではないので、現場の温度感がわからない中での演技という難しさもあって。ただ、アルベルトが登場する章は、他の章とは少し毛色が違っていて、物語として地続きのようでありながら、ある意味ではそうではない。視聴者の想像によって補完できる余地が多い登場の仕方をしているので、そういう意味では『チ。』が作品全体を通して繋いでいく"バトン"の受け渡し方が、少し異なるように感じました。もちろんプレッシャーや緊張はありましたが、変に背負いすぎずに現場に入ることができたのかな、とは思います」

――今回アルベルトが登場したことで、個人の信念の物語から歴史が大きく動く物語へとスケールが広がっていきますよね

「第3章の最後でアントニがノヴァクたちに対して『君たちは歴史上の人物じゃない』と言う場面がありますよね。そこから、地動説の弾圧について、すべての責任をノヴァクに押し付けるわけではないけれど、彼の周囲でしか起こっていなかったことだという意味合いが込められている。その流れを受けてのアルベルトの登場なので、見る人の数だけさまざまな考察が生まれる章になっているのかなと感じます。それこそ、『こういうことだったのかな?』『いや、違うんじゃない?』『もしかしたらこうだったのかも』と、想像をどこまでも膨らませられるような、解釈の余地が多い章だと思いますね」

TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」への思いを語る石毛翔弥
TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」への思いを語る石毛翔弥

――本作は登場人物の好奇心に従って突き進んでいく側面がありますが、石毛さんはどんな時に好奇心が刺激されますか?

「僕にとっては、この仕事がそれにあたるかもしれません。高校時代に演劇科に所属していて、そこから劇団に入り、この仕事を始めました。それ以来、ずっとこの道のことだけを考えて今に至るので、そういう意味では、僕にとっての"命を懸けるもの"なのかなと思います。ラファウたちのように、本当に命を懸けてでも貫きたいという覚悟があるのかは正直わかりませんが、それでもこの仕事に情熱を注いできたことは間違いありません」

――石毛さんは普段から好奇心は旺盛なほうですか?

「僕はどちらかというと、初期のオクジーやアルベルトのような性質を持っていると思います(笑)。虚無というほどではないですが、その気質は多分に含んでいますね。もちろん、役を演じるときには、そのキャラクターが何を考えているのか、どんなことに精通しているのかを理解するために調べることがあります。でも、それがすべて自分の知識として深く身についているかというと、そういうわけではないですし、僕自身、演じること以外の部分では、非常に淡泊な性格だと思います(笑)。ただ、好奇心や興味の面で言うと、人の気持ちに関してはすごく繊細に感じる部分があるかもしれません。相手がどう考えているのかを敏感に察知するところは、自分の特徴の一つだと思います」

――石毛さんは本作を通して、視聴者の方にどのようなメッセージを感じてほしいですか?

「『チ。』という作品自体が、『命を懸けてでも成し遂げたいことがある』『やり遂げることがある幸せ』といったテーマを持っていると思うのですが、それと同じくらい大切なのが"出会い"だと僕は感じています。個人的に、この作品を通して一番強く心に響いたのが"出会い"の大切さ。もちろん、このテーマを押し付けがましく伝えたいわけではないのですが、日々の生活の中で、人は決して1人では生きていけないものですし、たとえ一期一会の出会いであっても、それが人生に大きな影響を与えることもあると思うんです。そういう意味で、出会いというのは本当に尊いものだと僕自身も改めて感じていますし、この作品を通じて、皆さんにも何かしら感じ取っていただけたら嬉しいなと思います」

取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI

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放送情報

「チ。 ―地球の運動について―」
放送日時:毎週土曜日 23:45~ 放送中
チャンネル:NHK総合テレビ

詳しくは
こちら

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