津田健次郎のダンディーな声とともに大自然の神秘と力強さを体感

「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」の海馬瀬人や「妖怪ウォッチ シャドウサイド」の不動明王など、圧倒的な存在感を放つキャラクターを数多く演じている声優・津田健次郎。酸いも甘いもかみ分けてきた大人の男性にしか出せないような、人生の深みすら感じさせる力強い低音が魅力の彼の声は、さまざまな作品で物語に奥行きを与えるスパイスとして、多くの人の記憶に刻みつけられてきた。

声優以外にも、ラジオパーソナリティーや俳優としても精力的に活動している津田は、その多才ぶりでも知られる存在だ。声優の鈴村健一が総合プロデューサーを務める、人気声優による即興舞台「AD-LIVE」の2016年に開催された公演の舞台裏に完全密着したドキュメンタリー「MATSU-LIVE(マツリブ) -Documentary of AD-LIVE 2016-」で映像作品を初監督。そして、女性向けゲームブランド、オトメイトからリリースされている恋愛アプリゲーム「ダンストリップス」では、原案・企画・監修を手掛けたことで大きな話題を呼んだ。

(C)Off the Fence/Richard Kirby

そんな津田が、日本語版のナレーションを務めるドキュメンタリー番組「世界大自然紀行:インドシナ半島」がナショジオ ワイルドで放送される。舞台となるのは大河のほとりで、数々の王国が発展を遂げてきた豊かな土地。メコン川とモンスーンがもたらす豊富な水が、その土地に暮らす動植や植物、そして人々に豊かな恵みを与えてきた。しかし、20世紀に入り、フランスやイギリスによって植民地化され、ベトナム戦争では爆撃によって焼け野原に。その後、時間をかけて復活した森林には現在、世界の哺乳類、鳥類、魚類の10分の1にあたる種類が生息。世界でも珍しい生態系を誇るインドシナ半島のダイナミックな自然の姿に迫る本作で、津田は大河の流れを思わせるような、ゆったりとしながらも力強いナレーションで寄り添い、視聴者の心をかの地へと連れていく。

(C)Off the Fence/James Hemming

爆撃機による爆弾投下や枯れ葉剤散布など、ベトナム戦争の記録映像での津田の声は、少し暗く沈痛な色彩を帯びる。しかし、自然が再び本来の姿を取り戻していく様子を、朝日が昇る映像で表現したシーンでは、半島に生きる命のたくましさに対する畏敬の念をにじませた、明るく力強いものへと変化している。そんなダイナミックな映像とナレーションによるコラボレーションも見どころ。

オリジナルのナレーションも、津田に負けず劣らずダンディーな声を聞かせてくれる。まるで歌のような旋律で紡がれるオリジナル版と、重厚なトーンで生命の営みを伝える津田の吹替版。2つを聴き比べてみることによって、ナレーションの素晴らしさや視聴者に与える印象の違いを知ることができて面白いだろう。

文=中村実香

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放送情報

世界大自然紀行:インドシナ半島
放送日時:2018年11月25日(日)19:00~
チャンネル:ナショジオ ワイルド
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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