トップアイドルとして一時代を築いた、工藤静香のカリスマ性

3月10日、中島みゆきの楽曲をカバーしたアルバム第2弾となる『青い炎』をリリースする工藤静香。工藤静香といえば今の若い人には母としてのイメージが強い人もいるかもしれないが、トップアイドルとして活躍した一人であり、実力派のシンガーである。

■秋元康プロデュースのおニャン子クラブの一員に

工藤静香は、14歳の時に第3回「ミス・セブンティーンコンテスト」に出場し、同コンテストの出場者と共にセブンティーンクラブを結成してレコードデビュー。解散後には、フジテレビ系「夕やけニャンニャン」に、おニャン子クラブの一員として出演した。おニャン子クラブは、アイドルの「原石」を見つけるという主旨のもとで応募者を公募し、公開オーディションによって選ばれたメンバーで構成されていた。

秋元康がプロデュースしたおニャン子クラブは、現在のAKB48や乃木坂46などアイドルグループの原点ともいえる存在で、日本中を席巻するほどの大人気を誇った。工藤のほか、国生さゆり、渡辺満里奈、新田恵利、渡辺美奈代といったメンバーがいたが、工藤は生稲晃子、斉藤満喜子と「うしろ髪ひかれ隊」というユニットを結成して活躍。デビュー曲の「時の河を越えて」がオリコン1位となるなどヒット曲を連発した。

人気と歌唱力が高かった工藤が同グループをけん引。1987年におニャン子クラブが解散した後も活動を継続したほどだった。

■「アイドル四天王」と呼ばれ、ソロ歌手として活躍

1987年8月にはシングル「禁断のテレパシー」でソロデビューを果たして、オリコン1位を獲得。以降も「FU-JI-TSU」、「MUGO・ん...色っぽい」、「恋一夜」、「嵐の素顔」といったヒット曲を量産。当時の大人気番組だったTBS系「ザ・ベストテン」において、工藤は「MUGO・ん...色っぽい」で初の1位を獲得し、年間ランキングでも6位に。1980年代後半から90年代後半にかけて、トップクラスのアーティストとして華々しく活躍した。同時期に人気を博した中山美穂、南野陽子、浅香唯と共に「アイドル四天王」とも呼ばれ、一時代を築いている。

普段は人懐っこい笑顔としぐさが印象的だった工藤だが、パフォーマンスでは表情を一変させ人並み外れた艶やかさを見せて情感たっぷりに歌い上げる、そんな彼女のギャップに視聴者は釘付けになった。強烈に人を魅了する工藤静香のカリスマ性は、当時でも屈指であったし、その後のアイドルを振り返っても並ぶ者は少ない。アイドルの原石を発掘しようといたおニャン子クラブだったが、工藤静香はまさに「原石」に違いなかった。

今回、そんな工藤静香が1993年に千葉・東京ベイNKホールで行ったライブがMUSIC ON! TV(エムオン!)で放送される。「FU-JI-TSU」をはじめ、数多くの彼女のヒットナンバーがたっぷり聴ける構成だ。当時を知る昭和世代はもちろん、現代の若者たちにも、彼女の実力とカリスマ性を確かめてみてはいかがだろう。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

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放送情報

M-ON! LIVE 工藤静香 「静香のコンサ-ト'93 “Rise Me”」
放送日時:2021年3月21日(日)13:30~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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