シリーズ第2弾「樹海村」(2021年)で、ヒロインに抜擢されたのは「ミスミソウ」(2017年)や「ひらいて」(2021年)の山田杏奈と、「真夜中乙女戦争」(2022年)が注目を集めた山口まゆ。自殺の名所という不名誉な呼び名で知られる富士山麓の青木ヶ原樹海を舞台に、自殺し損なった人間たちが集まるという"樹海村"の伝説と、ネットを通じて拡散された呪いの箱"コトリバコ"の都市伝説を組み合わせたストーリーが展開する。

直接的なホラー描写だけでなく、樹海の神秘性も印象的に描かれ、ジワジワとした恐怖と緊張感を味わえるのが「樹海村」の特徴。山田は、神秘性を宿した難役を説得力とともに演じきり、山口は泣いたり悲鳴を上げたりと、鳴の感情の高ぶりを熱演。恐ろしくもドラマチックな1作として完成している。

そしてシリーズ第3弾「牛首村」は、ある心霊動画に自分そっくりの女子高生の姿を見つけた奏音(Koki,)が、動画の撮影地・坪野鉱泉へと向かい、"牛首村"にまつわる恐るべき秘密と忌まわしい風習に触れていく様を描く。

これが女優デビューとなったKoki，は、不可解な出来事に巻き込まれていく雨宮奏音と三澄詩音の1人2役にチャレンジした。モデルとしてのキャリアを重ねてきた彼女だが、完成報告会見の場で清水監督が「Koki，さんのお芝居を見たことがなかったので、不安はありました。でもお会いしたところ、真面目でストイックな感じが見えた。この人とやるのは面白いかもしれないと思った」と率直な想いを吐露していたように、観客にとってもKoki，の女優としての真価は未知数だった。