西野七瀬の「こじらせヒロイン」がいじらしい...神尾楓珠ら4人の大学生が繰り広げる恋愛談義もクセになる「恋は光」

「恋は光」
「恋は光」

(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

西条の周辺で、北代と共に複雑な四角関係を展開する女子学生たちもなかなかに癖のあるキャラクターだ。純粋に恋を探究する文学少女・東雲には平祐奈が起用された。「恋というものを知りたい」と瞳を輝かせる彼女に西条はひと目惚れし、恋の定義を語り合う交換日記を始める。今時スマホも持たず、文学作品を読み漁り、恋愛経験もない。そんな浮世離れした雰囲気を纏う東雲のあまりにも真っ白なピュアさが、平が自然と漂わせる透明感と絶妙にマッチする。

そして、古風な東雲とは真逆とも言える"いかにも女子大生"な宿木は、馬場ふみかが演じた。他人の彼氏を奪いたくなってしまう悪癖を持つ彼女は、西条を北代の彼氏と勘違いして猛アプローチを開始する。本心では素直に恋をしたいと思っているが、「恋は戦い」と言い放つ。感情を包み隠さない率直な物言いも、自らを嫌な女と評する所も、むしろ清々しくて好感が持てる。

「恋は光」
「恋は光」

(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

西条の初恋を軸に、恋愛感情に振り回されながら恋の定義を真剣に考察していく4人。大論争を展開していく中で、随所に映し出されるナチュラルな映像美も印象に残る。天気雨から逃れて木陰で雨宿りする西条と東雲に、少しずつ光が差し込んでいくシーンなど、恋する気持ちを想起させるような情緒溢れる風景が美しい。

のどかな大自然に囲まれて釣りに興じる姿、女子会が繰り広げられる古民家の縁側、趣き深い街並みなど、どこか懐かしい景色も素敵だ。光はもちろん静けさや温もりなど五感を通して、様々な恋に触れたような気持ちになった。恋とは誰しもが語れるが、正しくは語れないもの。正解は一つではないのかもしれない。彼らの真っ直ぐさが、眩しく光っていた。

文=中川菜都美

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放送情報

恋は光
放送日時:2023年2月17日(金)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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