北川景子が美脚を披露してギャルっぽい役を好演!その演技力が作品に与えた大きなもの

(C)2016「の・ようなもの のようなもの」製作委員会

夕美は天真爛漫な性格で、思ったことをすぐ口にするサバサバ系女子。パワフルで、明け透けで、直情的で、ガサツで、口が悪く、常に志ん田をイジっているという、いわば"ギャルっぽいキャラクター"で、良い意味でも悪い意味でも周りの人々を巻き込むという役どころ。衣装も、肩の部分が開いたTシャツに短パンという公開当時のギャル系ファッションに身を包んでいる。

そんな、今の北川のイメージとは真逆なキャラクターなのだが、なかなかどうして「これが北川の素に近いのか?」と思ってしまうほどに自然に演じており、短パンから覗くまぶしい美脚もセクシーというより健康的な印象を与えるほど。特に、松山との掛け合いでは、志ん田が"受け"側の役どころのためグイグイと絡んでいくのだが、迷惑そうな志ん田にかまわず振り回す夕美の嫌味を感じさせないパワフルさは圧巻。「こんなギャルいるよなあ」「可愛いのに、ちょっと残念...」と思わずくすりとさせられてしまう。

さらに特筆すべきは、夕美として北川が作品に与えているものの大きさだ。志ん魚を捜して奔走し、見つけた志ん魚に高座に上がるよう説得する「志ん田のドタバタ奮闘劇」という物語の軸に、紅一点の華やかさに加え、志ん田を振り回すことで生まれる"笑い"で、作品に"コメディとしてのリズム"を与えているのだ。

ストーリーをひも解けば、師匠の無茶ぶりに奔走する弟子の頑張る姿とその成長が描かれているため、コメディ作品としての"分かりやすい笑い"の要素を担っているのは志ん田と夕美の掛け合いのシーンがほとんど。つまり、要所要所で「北川が明るく嫌味がない感じで松山を困らせている」からこそ、作品が明るい雰囲気で進んでいくと言える。サーカス団で言えば、ピエロの役まわりといえば分かりやすいだろうか。

主演の松山を"裏"主演として支える北川景子の、イメージとは真逆の役柄を見事に演じ切る演技力に注目しつつ、その役を全うすることで作品に与えている大きなものにも刮目して見てほしい。

文=原田健

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放送情報

の・ようなもの のようなもの
放送日時:2023年6月7日(水)18:15~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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