舞台は1970年代の東京の下町・深川、木場に近い料亭「分田上」。山形県から上京してきた片島三郎(萩原)は、三番板前として一所懸命に働いていた。そんな三郎のもとにある日突然、はとこの岡野海(桃井)がやってくる。地元でもことあるごとに問題を起こし、家出したっきり行方不明となっていた海の過去を知る三郎は、厄介ごとに巻き込まれるのではないかと危惧するも、半ば押し切られる形で家に住まわせることに。一方、「分田上」には一人の刑事が板前・村井秀次(梅宮)を訪ねてきていた。事件を起こした逃亡中のヤクザの行方を追い、元ヤクザの秀次を探りに来たのだ。昔の仲間とは縁が切れていると言う秀次だったが、義理人情に厚い彼を女将たちは心配し、不穏な空気が流れるのだった。
実直な青年が、下町の人々との関係を通して少しずつ成長していく姿を描いているが、劇中には麻雀に興じる面々やたばこを吸う場面など、今では見られないシーンが日常の風景として表現されている。その1つ1つのシーンで萩原を始め、俳優陣が繰り広る会話が自然で、活気ある昭和の空気を醸し出すと当時に、豊かな人間関係やゆとりある時の流れを感じさせてくれる作品だ。
文=石塚ともか
放送情報【スカパー!】
前略おふくろ様#16
放送日時:11月26日(日)00:30~
放送チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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