綾野剛がアスリートの挫折と再起をリアルに演じたドラマ「オールドルーキー」

その熱意が気になっていたビクトリーの社長に拾われて、新町はアスリートをマネジメントする会社で見習いとして働くことになる。デキる社員の深沢塔子(芳根京子)についていくように言われ、交渉に向かった相手はドイツで活躍するサッカー選手、矢崎(横浜流星)で偶然にも新町のサッカー部の後輩。スタープレーヤーになって豹変した後輩に驚くが、やがて海外で戦う選手の心理を知ることになる。現役に戻りたい夢を心の奥に隠しながらも、9才のスケートボーダーに自分の娘を重ね、「カッケー！」と感動し、本音を聞き出そうとしたり、スランプに陥ったマラソン選手を必死になってサポートしたり。アスリートが抱えるプレッシャーや孤独がわかるからこそ、新町はビクトリーの仲間に徐々に信頼され、やがて笑顔を取り戻していく。人一倍、熱く、泣き虫の主人公は家族や仕事にどう向き合うのか？綾野がその演技力でセカンドライフというテーマで華やかに見えるアスリートたちの裏側を描き出したという意味でも見応えのあるドラマだ。

文＝山本弘子

この記事の全ての画像を見る