水谷豊と寺脇康文のタッグが歴史を開いた！国民的ドラマシリーズ「相棒」の原点、「Season1」

そんな2人が息を合わせて事件に臨む姿に心を動かされるのはもちろんだが、それをより濃いものにしているのは、やはり2人の人間的な魅力だろう。

杉下は犯人に推理を披露する場で、爆発ともいえる絶叫をする時がある。第1話では「あなたが選びなさい！」と叫び、犯人に自分で事件を締めくくるよう諭したり、第5話では犯人に推理を聞かせて「僕だってもう(犯人を追い詰めることを)辞めたい！」と顔をクシャクシャにして叫んだりする。それは犯人への情を持ちながらも、真実を追求することを選ぶ杉下の姿であり、そんな姿を見るたびについ涙腺が緩んでしまう。

感情を隠さない亀山も、第6話で面倒を見ていた情報屋が殺された時に、心から相手を偲ぶ真摯な表情を見せる。また一緒に暮らしている恋人の美和子(鈴木砂羽)と喧嘩したり、その前で弱音を吐いたりと、情に溢れると同時に素直な亀山の姿に、つい親近感を覚えてしまうのだ。

水谷豊と寺脇康文がそれぞれの人物をしっかり演じ、共感を呼ぶ人物像を体現したからこそ、本作は多くの視聴者に愛され続けるシリーズとなったのだろう。今や国民的ドラマとなった「相棒」の原点「Season1」は、シリーズの魅力が詰まった必見の作品と言える。

文＝堀慎二郎

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