ドラマ版は韓国のリメイクだったが、劇場版はオリジナルストーリーで展開。坂口演じる三枝が謎の無線で2009年の大山(北村)に連絡をして、2人は再び連携をとり、事件の真相に迫っていく。
そして本作の大きな見どころは、権力によって隠蔽された事件に踏み込んでいく三枝が、命の危機に何度も襲われ、追手から逃げ、復讐のテロを止めるためにたった1人で戦うアクションシーン。公安部長から呼び出されて向かった倉庫では罠にハメられ、銃弾が飛び交う中で戦う。俊敏な動きで狭いシャッターの隙間をくぐって逃げるシーンや、ナイフで刺されながらも、テロを阻止するために死闘を繰り広げるシーンなど、手に汗を握らずにはいられない。身体を張ったアクションに挑んだ坂口は当時、映画の完成報告会で「本当に戦っているような、何度やられても立ち上がる三枝に感情移入しました」とコメント。誰にも助けを求めることができないギリギリの状況に立たされても、冷静さを失わず、血だらけで上司の桜井に状況報告をする演技が、坂口健太郎という俳優の持ち味を浮き彫りにする。
■三枝と大山の今と過去を飛び超えたバディも胸アツ
西新宿テロ事件で両親を失い、記者になった小泉ミチル(奈緒)、2009年の悲惨な交通事故で妻が亡くなり、娘が意識不明になった刑事部長の青木(伊原剛志)。
その事故を目撃して娘を救った大山。複雑に絡み合う事件を通し、正義感が強く人情に熱い大山と、その部下だった桜井、そして無線機で繋がる三枝と大山は時に笑い合い、時に涙を流しながら会話し、運命を変えるべく、違う時代で戦っていく。
独特の温度感と涼しげで物憂げな瞳が魅力の坂口。やりきれない世界の中、一筋の希望を浮かび上がらせる演技が新たな刑事像を生み出した。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班
放送日時:2024年6月1日(土)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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