若かりし日の渡哲也吉永小百合の表情が眩しい映画「愛と死の記録」

(C)1966年日活株式会社

今から58年前に公開された本作は、オートバイをノーヘルで乗り回し、トラックの荷台に人が乗っている、今では考えられないシーンが多数出てくる。映像はモノクロでCGもない、だがしかし、海も山も色づいているように美しく感じた。それは前半の幸雄と和江がデートをするシーンだった。渡と吉永の醸し出すキラキラとした空気感、恋の始まりを予感させる雰囲気がそう感じさせたのだろう。そんな2人の運命の歯車は、後半に向けて加速度的に狂っていく。

(C)1966年日活株式会社

終戦から21年、広島を舞台にした本作。公開された1966年といえば、高度経済成長期の最中、日本中が活気づいていた頃だろう。一方でまだ戦後の闇も色濃く残っていた時代でもある。当時の若者は、愛を語り合う渡のキザなセリフに、吉永のはじける笑顔に、うっとりしたことだろう。そして、残酷な2人の運命に頭をガーンと殴られたような衝撃を受けただろう。パワフルだった、太陽のような輝きを放っていた、だからこそ暗闇に落ちたときのギャップはすさまじい。その落差を見事に演じ切っていた渡と吉永。今の時代に本作を見る日本人は何を思うだろうか。見終わったとき、それぞれに感じることがある、そう断言できる秀逸作だ。

文=石塚ともか

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放送情報【スカパー!】

愛と死の記録
放送日時:8月2日(金)19:30~
放送チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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