松山ケンイチの繊細な表情から読み取れる、勝てないボクサーの心情。悲しげに佇む木村文乃にもひかれる映画「BLUE/ブルー」

近年、「空白」「ミッシング」と事件や事故から登場人物の人間性を克明に描きだす吉田恵輔。「神は見返りを求める」では、YouTuberという現代社会に根付いたばかりの文化から、誰しもに纏わりつく他人との関係性という問題をスクリーンに映してみせた。そんな吉田恵輔の作品でいわば映画の一つの王道とも言えるボクシングというテーマを扱った作品が「BLUE/ブルー」だ。

勝てないボクサー瓜田を演じる松山ケンイチ
勝てないボクサー瓜田を演じる松山ケンイチ

(C)2021「BLUE/ブルー」製作委員会

「BLUE/ブルー」は松山ケンイチが演じる瓜田信人を中心として、ボクシングにのめり込むボクサーが描かれる。瓜田と同じジムに所属するプロボクサーの小川一樹(東出昌大)は、とにかく勝てない瓜田と相反するように日本チャンピオンの挑戦まで勝ちを進めていく。また小川は瓜田の思い人でもあった天野千佳(木村文乃)との交際も順調に進めていった。そんな中、自身に才能がないことがわかりながらも瓜田はもがき続ける...という観ていると登場人物の誰かに胸を締め付けられる、そんな切なさを含ませた作品だ。

松山演じる瓜田は一度も勝てない。正確にいうと勝ち星をあげたことは二度あるが劇中で勝つ場面は一つもない。ジムには誰よりも居残り安月給のアパートで小数点以下まで自身の体重を管理するにも関わらず、だ。努力しても努力しても負ける。

だが、後輩や天野には弱みを見せない。「自分は負け慣れているから」と笑顔を佇ませて静かにサポートに徹していく。しかし、時に笑顔でさえも隠しきれない悔しさやボクシングが好きという思いが松山の繊細な表情から見て取れ、その細やかなボクサーと普通の人間としての間で揺れる情動の機微が観客を努力が報われない悲哀へと導く。

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放送情報【スカパー!】

BLUE/ブルー
放送日時:8月1日(木)09:15~
放送チャンネル:WOWOWライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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