時代劇スター・マツケンこと松平健の代表作「暴れん坊将軍」第1シリーズは北島三郎夏樹陽子宮内洋らキャスト陣の秀逸演技も必見

「吉宗評判記 暴れん坊将軍」(時代劇専門チャンネル)
「吉宗評判記 暴れん坊将軍」(時代劇専門チャンネル)

共演陣も素晴らしい。御側御用取次役として教育係を務めた「爺」こと加納五郎左衛門を演じた有島一郎は、昭和の喜劇役者の代表格。間と表情の技巧が絶妙で、味わい深い演技を見せてくれる。吉宗の右腕である南町奉行・大岡忠相を演じたのは横内正。「水戸黄門」の格さん役の後に本作で忠相役を19年の長きにわたって演じた。人格者で吉宗からの信頼が厚い忠相を重厚な演技で表現。艶のある声がよく通り、横内もまた本作の人気を支えた功労者と言える。

さらに御庭番衆と呼ばれる忍者軍団も重要な存在で、市井を徘徊する吉宗の警護、悪事の証拠をつかむための諜報活動や悪人の成敗も担当した。特に初期のリーダーを務めた薮田助八(宮内洋)は、「仮面ライダーV3」などの特撮作品で人気を博して本作に出演。松平健に負けないほどのカッコよさで活躍し、本作以降は時代劇作品の出演も増えた。同じく御庭番のおその(夏樹陽子)も男勝りで奮闘するが、日舞や能楽の経験者でもある夏樹のポテンシャルが時代劇において発揮されていたという印象だ。

また、本作の設定の特徴である「め組」の場面に登場する町人衆の魅力も忘れてはいけない。中でも頭の辰五郎を演じる北島三郎が素晴らしい。辰五郎役は北島を想定して書いたと思われるほど、すべてのセリフと立ち回りが見事にはまっている。歌手の仕事が最優先で、ドラマ出演は限られていたこともあり、北島の演技が堪能できることでも本作の価値がある。

25年間も続いた超人気作品の原点らしく、今見てもまったく色あせない「吉宗評判記 暴れん坊将軍」。各シリーズの再放送の機会は多いが、ロングラン作品の礎となった第1シリーズが見られるのは貴重な機会だ。芸能生活50周年を迎えた人気スター・松平健のルーツでもあり、「余の顔を見忘れたか!?」「成敗!」といった決めせりふも改めて堪能したい。

文=渡辺敏樹

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放送情報【スカパー!】

吉宗評判記 暴れん坊将軍
放送日時: 8月26日(金)18:00~
チャンネル: 時代劇専門チャンネル
※毎週(月)~(金)18:00放送
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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