二階堂ふみのぶっとんだコメディエンヌっぷり！壮大な茶番劇を展開した「翔んで埼玉～琵琶湖より愛をこめて～」

埼玉を徹底的に"ディスった"ストーリーが話題を呼んだ映画「翔んで埼玉」(2019年)。魔夜峰央による未完のギャグ漫画を原作に、「テルマエ・ロマエ」シリーズや「のだめカンタービレ」シリーズを手掛けたコメディの名手・武内英樹監督が実写化した本作は、埼玉が東京から虐げられるというストーリーに、埼玉の永遠のライバル・千葉、高みの見物を決め込む神奈川、秘境・群馬や茨城に栃木と関東各県を巻き込んで、埼玉県人が自由を求めて立ち上がる姿を壮大なスケールで描いた。

強い郷土愛を踏まえた"ディス"の数々を連発するも、埼玉の寛容さに助けられて興行収入37億円のスマッシュヒットを記録。その空前のブームを巻き起こしてからおよそ4年、昨秋公開された続編「翔んで埼玉～琵琶湖より愛をこめて～」(2023年)が9月21日(土)にＷＯＷＯＷシネマで放送される。

続編では前作からスケールアップした壮大な茶番劇が展開する。東京都民からひどい迫害を受けていた埼玉県人は、麻実麗が率いる埼玉解放戦線の活躍により、通行手形を撤廃し自由と平和を手に入れた。それから3ヶ月後、日本埼玉化計画を推し進める麗と壇ノ浦百美は、横の繋がりが薄い埼玉県人の心を一つにするため越谷に海を作ることを計画。白浜の美しい砂を求めて未開の地・和歌山へと向かうが、嵐に巻き込まれて船が難破してしまう。独り和歌山の海岸に漂着した麗は、滋賀解放戦線のリーダー・桔梗魁と運命的な出逢いを果たし、関西にも超・地域格差や通行手形制度が存在することを知る...。

前作に続きGACKTと二階堂ふみが主演を務めた。連続テレビ小説「エール」(2020年)でヒロインを務めるなど演技派として知られる二階堂だが、本シリーズでは初の男性役に挑戦してぶっ飛んだコメディエンヌぶりを発揮。東京屈指の名門校・白鵬堂学院の生徒会長・壇ノ浦百美を演じ、「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ！」にはじまる名言を繰り出し、振り切ったコミカルな演技を披露した。

東京都知事の息子で都会指数の低い埼玉県人を蔑んでいた百美だが、麗との出逢いを機に埼玉解放戦線の一員として日本埼玉化計画を推し進めている。関西に旅立った麗に代わり、武蔵野線開通に向けて埼玉の路線族との交渉に奮闘。前作に続き厳しい口調で毒舌を吐くが、麗の前では乙女な表情で心のときめきを隠さない。顔芸も厭わず大阪に毒されながらも必死で抵抗する様を二階堂が熱演。コメディこそ演技派でなくては難しいが、ユニークなキャラクターも全力で生き生きと演じきった。

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