
女優・吉永小百合は、11歳の時にラジオドラマ「赤胴鈴之助」でデビュー。1959年に松竹映画「朝を呼ぶ口笛」で映画初出演を果たし、1962年の日活映画「キューポラのある街」のヒットを機にスター女優となった。以降は日活の看板女優として、特に浜田光夫との黄金コンビで映画界に旋風を巻き起こしている。1990年代以降は映画に専念しているが、一時はテレビドラマにも精力的に出演した。特に映画界が衰退期に入った1970年代はそれまで演じてきた清純派のイメージからの脱皮を図り、TBS系の東芝日曜劇場をはじめ、「樅の木は残った」(1970年)、「風と雲と虹と」(1976年)などNHK大河ドラマにも出演して印象的な演技を披露している。

そんな時期に吉永を積極的に起用したのが、前述したTBS系「東芝日曜劇場」で、名プロデューサー・石井ふく子のもとで、17作品に出演。その一作である1970年放送の「二代目」は、大女優の杉村春子と母娘役で共演を果たし、話題を呼んだ。本作は、「渡る世間は鬼ばかり」などで知られる橋田壽賀子が脚本を手掛け、東京・木場の材木問屋を舞台に世代間の喜怒哀楽と母娘の愛情を描いた作品だ。ちなみに橋田は、石井プロデューサーの盟友ともいうべき存在で、そもそも彼女の名声は高めたのは、東芝日曜劇場での実績によるものだった。
「二代目」のストーリーを紹介しよう。東京・木場にある材木問屋・山徳は、十年前に主人が亡くなって以来、未亡人のきの(杉村春子)が女主人として仕切っていた。娘の杉子(吉永小百合)は24歳になっているが、自身の結婚よりも店のやりくりの方が気になって仕方がない様子。時代の流れに押されて、店は火の車になっていたからだ。それでも変わらず昔ながらのやり方にこだわる母・きのに対し、杉子は「新しい商売の仕方をしなければ、今の世の中ではやっていけない」などと、何かと意見しては対立していた。山徳が全盛だった頃を思い出しては、寂し気な顔をするきのを見て、杉子はある決心をする...。
放送情報【スカパー!】
日曜劇場「二代目」
放送日時:4月5日(土) 07:00~
放送チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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