そんな男の正体と事件の謎に迫っていく神奈川県警捜査一課の面々にも豪華な顔ぶれが並ぶ。中村アンが演じるのは、真相究明のためになら些細な可能性まで調べ上げる仕事中毒の警部補・堂本翠。管轄内で起きた不可解な自殺を機に、その周囲に潜む"何者か"の存在を感じ始めるという役どころで、笑顔を封印した影をも感じさせる姿は、新境地と呼ぶにふさわしい。

不可解な事件の深みにハマっていく堂本を諭す警部・飯田剛を演じるのは、役者としても活躍する歌手の竹原ピストル。貫禄ある風体や荒っぽい口調といった自身の持ち味を存分に活かしながら、経験と勘に重きを置く昔堅気な先輩刑事をドッシリと演じている。

上司である飯田や堂本の捜査を真摯にサポートする若手刑事・菊池大貴には、俳優としても躍進するTravis Japanの宮近海斗。先輩たちの問いにキビキビと応対する様子や、意見がぶつかり合う飯田と堂本の間でキョロキョロと戸惑う姿など、絶妙に"後輩感"を漂わせた演技が好印象で、捜査一課内の人間ドラマにリアリティを加えている。

全6話で構成される本作には、エピソードごとに異なる主人公が登場する。第1話の主人公は、女子高生・北川祐里(中島セナ)。

一緒に暮らす母も、離婚した父からも煙たがられ、孤独な日々を送っている受験生で、恋愛もうまくいかず、間近に迫った進路に悩んでいた彼女の前に塾の新たな講師として現れるのが、香川演じる"男"――。親身になって話を聞いてくれる男に心を許していく祐里だったが、やがて恐ろしい"災い"に見舞われることに...。

この他にも、飲酒運転による事故で人を殺めてしまった過去を持つ運送会社の従業員・倉本慎一郎役の松田龍平、負債を抱えた旅館を先代の父親から継いだ支配人・岸文也役のじろう(シソンヌ)、夫婦関係がうまくいっていない主婦の岡橋美佐江役の坂井真紀...といった実力派の名がズラリ。香川とのどのような演技合戦を繰り広げていくのか気になるところだ。