アイドル全盛期の郷ひろみが魅せる高い演技力×脂の乗った国民的俳優の森繫久彌の怪演 「見逃すと後悔してしまう」2人の化学反応によるきらめき
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(C)東映
一方で、森繫の怪演も見どころ。始めはマコトの後を追ってくる正体の分からない謎の老人として登場し、後半に"老いぼれの詐欺師"という素性が判明する役なのだが、飄々とつかみどころのない人物像に加えて、マコトを意識している理由などが絡み合い、森繁ならではの不思議なキャラクターを創出。スケベで下品でありながらも、どこか愛嬌があって憎めない人物として、コメディーという枠の中で縦横無尽に駆け回っている。
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そして、この2人の演技の化学反応がすごい。力で押し切る剛腕ピッチャーと七色の変化球で打者を切り切り舞いにする変化球ピッチャーによる投手戦のような、ヒリヒリ感があってどうしても目が離せない、本能が「この瞬間を見逃すと後悔する」と警告音を鳴らすくらいのきらめきがある。24歳の郷と66歳の森繫という、全盛期のトップアイドルと脂が乗り切った国民的俳優の圧倒的な存在感のケミストリーは必見だ。
ビッグスターの知られざる高い演技力と成熟した国民的俳優の怪演が織り成す、"見逃すと後悔してしまう"きらめきを堪能してほしい。
文=原田健









