一方、そんな富樫と対になる存在が、キャリアも性格も正反対なエリート警察官の八代。原作ではヨ・ジングが熱演したジュウォンにあたるキャラクターだ。実はある目的から羽多野署へと異動してきた八代は、現在進行形の事件の謎を追うと同時に、過去の事件の犯人が富樫ではないのか？と密かに富樫のことを調べていく。

曲がったことが嫌いな正義感を持つ八代だが、若さゆえに熱くなったり、正義が揺らいだりと事件の闇に翻弄されるにしたがい徐々に"怪物"のような不穏な一面も顔を出していく。水上は力強いまっすぐな眼差しでキャラクターの正義を浮かび上がらせつつ、タガが外れたかのような鬼の形相で怒鳴り散らかすなど、クールな印象が目立ったヨ・ジング版とはまた異なるアプローチで、キャラクターの怪物性を体現している。

真相へ迫ろうとする八代に対し、何か隠しているかのような態度でいなしていく富樫。異なるタイプの芝居でぶつかり合う水上と安田の白熱の演技合戦はもちろん、徐々に浮かび上がる事件の真相からも目が話せない「連続ドラマＷ 怪物」。韓国版を見たという人も、日本リメイク版ならではの違いなどに目を向けながら楽しんでほしい。

文＝HOMINIS編集部