横山由依、『醉いどれ天使』で見つめた"生きる強さ"――表現者として歩む今、「ぎん」と共に感じた再生の瞬間
俳優

――ぎんにとって松永という存在は、どんな意味を持っていると思いますか?稽古や本番で北山さんから受けた刺激、印象的な瞬間があれば教えてください
「変わっていく世の中で、変わらない大切なものを思い出させてくれる存在だと思います。ぎんも松永のおかげで前を向くことができると思います。北山さんが演じる松永は、一見強く見えますが、その中に壊れてしまいそうな脆さがあって、思わず支えたくなります。お芝居やダンスでは引っ張ってくださる存在でありながら、シーンごとのディスカッションや普段の会話では誰も置いていかない優しさを感じる座長さんです。振付を覚えるのもとても早くて、セリフが変わってもすぐに対応されるので、どうやって記憶されているのか気になります」
――戦後という混乱の時代に生きる女性を演じるうえで、特に意識していることや心がけていることはありますか?
「戦後の時代を強く生き抜いてくださった皆さんのおかげで、今の私たちが存在できていると思います。だからこそ敬意を持って、自分が持っている精一杯のエネルギーを込めて演じたいと思っています」
――AKB48としての活動を経て、今回のようなストレートプレイの舞台に立つうえで感じる"違い"や"共通点"はありますか?表現者として、どんな部分がつながっていると感じますか?
「AKB48では、音楽やダンスを通して仲間とひとつになりながら、お客さんに思いを届けてきました。ストレートプレイでは、無音の空間の中で自分の声や動きだけで物語を紡ぐので、緊張感や責任感がより大きく感じます。ただ、今回の作品には生演奏が入るので、心情に寄り添ってくれるような空気感があり、ステージと通じる部分もあります。どちらも"お客さんがいて完成する"という点は同じだと思いますし、観に来てくださる方の活力になれたらという思いで舞台に立っています」
――キャストの皆さんと一緒に稽古を進める中で印象に残っているやり取りや、座組の雰囲気を教えてください
「私は夫の影響でジャイアンツファンなのですが、渡辺大さんもジャイアンツファンで『由依ちゃんに使ってほしい!』と読売巨人軍の前掛けを持ってきてくださいました。それをお借りしてお稽古をしています」
――この作品を通して、観る方にどんな想いを届けたいですか?ぎんとして、舞台に立つうえで大切にしていることをお聞かせください
「時代は違っても、人が悩み、もがき、支え合いながら生きている姿は変わらないと思います。思い通りにいくことも、そうでないこともある中で、"今の自分が生きているうちに何をしたいか、どう生きたいか"を考えるきっかけになるような舞台になれば嬉しいです。自分の持っているものを日々出し切れるように、体調管理をしっかりとしていきたいと思います」
文=HOMINIS編集部
公演情報
舞台『醉いどれ天使』
原作:黒澤明 植草圭之助
脚本:蓬莱竜太
演出:深作健太
出演:北山宏光
渡辺 大 横山由依・岡田結実(Wキャスト) 阪口珠美 / 佐藤仁美 大鶴義丹 ほか
公演スケジュール
日程:2025年11月7日(金)~23日(日)
会場:明治座
日程:2025年11月28日(金)~30日(日)
会場:御園座
日程:2025年12月5日(金)~14日(日)
会場:新歌舞伎座
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