中山美穂が体現するセンチメンタルな夫婦愛...大貫妙子の音楽も作品を盛り上げる純愛ドラマ「東京日和」

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「東京日和」 (C)1997 フジテレビジョン/バーニングプロダクション
「東京日和」 (C)1997 フジテレビジョン/バーニングプロダクション

突然の訃報からまもなく1年が経つ中山美穂。彼女の代表作で、名匠・岩井俊二監督の長編デビュー作として知られる恋愛映画の金字塔「Love Letter」は、公開30周年を記念し4Kリマスター版として今年4月にリバイバイル上映され、12月3日(水)にはBlu-ray&DVDが発売されるなど、話題を集めている。

同じく12月3日(水)にデジタルリマスター版としてBlu-ray&DVDが発売を控え、再び注目が集まっているのが1997年に中山が出演した「東京日和」。12月5日(金)にWOWOWシネマで「没後1年 中山美穂特集」の1作としてとして本作も放送される。

竹中直人が監督も務めて中山美穂と共演した「東京日和」
竹中直人が監督も務めて中山美穂と共演した「東京日和」

(C)1997 フジテレビジョン/バーニングプロダクション

"アラーキー"の愛称で知られる写真家・荒木経惟が、1990年に他界した陽子夫人との思い出の日々を綴ったフォトエッセイ集「東京日和」に感銘を受けた竹中直人が自らメガホンを握り、主演も務めた本作。フォトエッセイの準備を進める写真家が、胸に去来する亡き妻との日々を思い出す、切なくも美しい純愛ドラマだ。

愛する妻・ヨーコ(中山)に先立たれ、一人での生活を送る写真家の島津巳喜男(竹中)。亡き妻に捧げるフォトエッセイの件で、自宅に編集者が訪れるのを待っている間、写真を眺めながら、ありし日の彼女との懐かしい思い出へと耽っていく。

ふと家を空けて数日間どこかへ出かけたかと思えば、突然帰宅し、何事もなかったかのように振る舞うヨーコの姿や、新婚旅行で訪れた思い出の地・柳川での舟で一人静かに眠る寝顔など、時にやさしく、時に切なく、そして時にほろ苦い、様々な夫婦の姿が描かれている。

美しさはもちろん、独特の儚さ、危うさも帯び、はっと目を引くような存在感を示している中山。雨の中で岩をピアノに見立ててはしゃぐ姿やカメラを向けた際の照れ臭そうな笑顔など表情も豊かで、天真爛漫な姿が切なさに拍車をかける。

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放送情報

東京日和
放送日時:2025年12月5日(金)18:45~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
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