篠原涼子主演、大人女子のリアルな恋を描く「anego[アネゴ]」
俳優
原作:『anego』林真理子 著(小学館刊) (C)NTV
本作に出演した当時、篠原は主人公の奈央子と同じ年ごろ。それだけに自然な佇まいで奈央子を演じている。
数年前から女子の正社員を採用しなくなった東済商事。かつて正社員として入社した女性社員たちは続々と寿退社していき、今では女性社員は派遣社員と契約社員がその多くを占める。会社の華である若手の女性社員たちが"ギャルズ"と呼ばれる一方で、奈央子や博美のように30代で正社員として会社に残っている女性社員たちは、どこか嘲笑されるような風潮...。そんな中で奈央子は"ギャルズ"たちからことあるごとに相談をされて慕われたり、部長からも頼りにされて女性社員の教育係のような立ち位置になったりしつつ、時には後輩の女性社員に毒を吐かれたり、荷が重すぎる相談事を持ち掛けられて頭を悩ませたり...。奈央子の思わず頼りにしたくなるような頼もしさと人柄の良さ、しかしその裏では1人で悩んだり焦りを抱えたりしている30代女性のリアリティまで篠原がしっかりと描き出している。
そんな奈央子の日常を変えるきっかけの1人になる新入社員の黒沢を演じているのが赤西だ。赤西といえば、2002年4月期に放送された「ごくせん(第2シリーズ)」で一躍注目を浴び、知名度を上げていた頃。そんな若かりし頃の赤西に、真っすぐさや青さ、若さゆえのたどたどしく不器用な空気感を携えた黒沢の役がぴったりとハマっている。"年下男子"の可愛さや、その反面で何を考えているかわからないところを赤西がしっかりと体現していて、当時、黒沢に沼った視聴者も多いはずだ。
みんなの"アネゴ"、奈央子を中心に描いたラブストーリー。20年前の作品だけに、現代とは違う社内の雰囲気や価値観もあるのだが、そんなところも含めて新鮮に見ることができる。また、コミカルなタッチもあり、奈央子と黒沢の"心の声"を文字で映し出す演出など、クスッと笑ってしまう場面も。一方で大人女子・奈央子の恋の悩みをリアルに描き出したり、年下男子・黒沢にきゅんとさせられる場面があったり...とラブストーリーとしても上質に仕上がっている作品だ。
文=HOMINIS編集部









