高倉健×吉永小百合の初共演作!名優2人の繊細な感情表現に圧倒される「動乱 4Kリマスター版」

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(C)東映・シナノ企画

日本映画の黄金時代を牽引し、その後も数々の名作に出演してきた高倉健と吉永小百合。映画界のトップスターが初めて共演した作品が、二部作として公開された超大作「動乱」だ。

物語の舞台は戦争に向かって突き進んでいた昭和初期。青年将校らによる2つのクーデター、五・一五事件(1932年)と二・二六事件(1936年)を背景に、青年将校・宮城啓介(高倉)とその妻・薫(吉永)の愛をつづった物語だ。もともと薫は宮城の部下の姉。借金のかたに売られてゆく頃に出会った2人は、宮城が赴任した日本統治下の朝鮮で女郎と客として再会する。宮城はそんな薫に手を差し伸べ、帰国後は一緒に暮らすことにした。そんな中、宮城ら青年将校は汚職まみれの政治家たちを一掃し、天皇による直接政治を目指しクーデターを計画する。

東映のトップスターとして「日本侠客伝」や「網走番外地」など任侠、アクション映画を中心に活躍した高倉は、1976年に東映を退社。フリーとして東宝の「八甲田山」(1977)や松竹の「幸福の黄色いハンカチ」(1977)に出演するなど、この時期は新たな一歩を踏み出していた。

■高倉健と吉永小百合、初共演で見せるやり取りに注目

高倉健と吉永小百合の息の合ったやりとりに注目
高倉健と吉永小百合の息の合ったやりとりに注目

(C)東映・シナノ企画

いっぽう吉永は「キューポラのある街」や「伊豆の踊子」など日活の青春映画で国民的なスターになり、1967年には吉永事務所を設立。映画の企画立案やTVドラマに積極的に出演するなど、彼女も活動の幅を広げていた頃だった。次のステップに進んだことで、接点のなかった2人が顔を合わせることになったのが「動乱」だったのだ。

高倉のトレードマークといえば口を真一文字に結んだ寡黙な姿。たぎる感情をセリフではなく立ち居振る舞いで表現するスタイルは、フリーになった後さらに磨きをかけていた。そんな高倉が本作で演じたのは、激動の時代を強い信念で駆け抜けた青年将校。自衛隊が協力した「野生の証明」(1978)では肉体を改造して元自衛官を演じていた高倉は、本作でも歩き方から敬礼など細かな所作まで気を配り、旧日本陸軍将校を熱演した。

明るい清純派として活躍してきた吉永は、本作では宮城の妻をこれまでになく艶やかに演じている。女郎となった後に宮城と再会するシーンでは、安っぽい化粧に赤い襦袢姿で登場。宮城に抱きついたが拒絶され、呆然と佇むというこれまでにない一面を見せつけた。

■名優2人が魅せる、繊細な感情表現

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