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言葉少ない宮城とは逆に薫は感情が出やすいタイプ。2人のやりとりはセリフとセリフの間の間が多く、情感あふれる吉永とそれを受けた高倉が見つめ合う視線のわずかな揺れや表情の変化、かすかな指の動きで感情を表現。間合いや余白を使ったやり取りに成熟した俳優の技に圧倒された。
当時は映画よりTVドラマが多かった吉永は本作を終えた会見で、高倉との共演や薄着で雪原に倒れ込むなど過酷な現場を振り返り、緊張感ある撮影でもう一度映画の世界でしっかりやりたいと発言した。
主軸を映画に戻して高倉と2度目の共演を果たした「海峡」(1982)はじめ、実話をもとに死刑になった連続殺人犯を演じた「天国の駅 HEAVEN STATION」(1985)など挑戦した役を演じた吉永。
さらに幅を広げ、2025年には登山家・田部井淳子の伝記映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」で転倒し骨折しながら登山シーンを撮りきるなど新たな挑戦を続けている。高倉は2014年に世を去ったが、日本中から愛された不世出の映画スターが初の共演を果たした「動乱」で、2人の演技を味わってはいかがだろう。
文=神武団四郎









