『私を探さないで』勝地涼河合優実インタビュー 岩松作品の神髄とノスタルジックなサスペンスの世界

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舞台『私を探さないで』
舞台『私を探さないで』

――演出の岩松了さんに言われてハッとしたことは?

河合「本当にたくさんあって、自分が言われていることでも、他の方に演出をつけているときでも、毎日宝物のような一言だらけで。いつもメモしていたんですけど、印象に残っているのは、『セリフを言っている内容とか、セリフの中身の意味を伝えることが一番なのではなくて、相手がいてなんで喋っているか、なんでその言葉を今この人は伝えようとしているとか、そっちのほうが重要だし、普段、人間ってそうでしょう?』というようなことをおっしゃっていて、本当にそうだなと思って。もちろん、内容やセリフもないと言えないけど、なんでこの人に向けて今喋りかけるかっていうことのほうが大事っていうことを聞いたときには、目から鱗というか、お芝居の本質と言っても過言ではないくらい、今後にもすごく生かせそうだなと思いました」

勝地「僕は今回、本当に何も言われなくて。立ち位置などは『あそこ、もう少しこういう感じで』と言われていますけど、どちらかというと他の人に対して言っている言葉も、岩松さんは反射させていろんな人に伝えている感じもあるので、その中で言うと、『セリフを言っているときの時間ではなく、そこにドラマがあるっていうよりは、受けているとき、聞いているときの時間にドラマがある』ということをおっしゃっていて、すごく納得したというか、"こういうふうに言ったほうが良いのか?"と言い方ばかり考えてしまいますが、立ち姿1つの状態だったりとかそういうことを大切にしないといけないんですよね。

今回だけじゃなく、以前から演出を受けているときにも、それに似たような言葉は言われているんですけど、強く否定したいからこそ、こういう立ち方になるとか、自分を守りたいから、こういうふうに動くんじゃないか、後ろに下がりながら言うのか、前に進むのか。向きにしても選択肢はたくさんあって。それは演劇においては岩松さんに言われるといつもハッと気が付かされます」

――お客さんはアキオの気持ちに沿って物語を見ると思うので、責任重大ですよね

勝地「そうですね。それってもしかしたら相手のお芝居を受けているときの時間が大切になるかもしれないですね。例えば大城先生の話を聞いているときの時間は (目を)見て聞いているのか、(見ずに向きを変えて)聞いているのか...。

『感情が出来上がってないのに動く』ということをやってみると、何かが生まれることもあるのですが、自分が小さい頃から演劇においての立ち位置などは蜷川(幸雄)さんからも『ここに皆がいるんだったら、お前はそっちから出てこないだろう!』と怒られてきたので、そういうことに慣れすぎているのか、『自分で好きなところから出ていい』と言われたりすると、"あの人が喋っていたらこう動くかな"とクセがついてしまっていて、"それは嘘なんじゃないかな..."と思うときがあるんです。なので、改めて岩松さんがおっしゃったりすると考える感じはありますね」

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