満島ひかりの"抑制された情熱"を感じさせる演技!艶っぽい表情から目が離せない「駆込み女と駆出し男」
俳優
(C)2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会
天保12年、老中・水野忠邦による「天保の改革」が江戸の町を覆っていた。贅沢は敵、娯楽は悪。人々の暮らしから色彩が失われ、閉塞感が漂う時代。そんな時代背景を逆手に取り、軽妙なリズムと深い人間ドラマを融合させたのが映画「駆込み女と駆出し男」である。
本作の舞台は、幕府公認の縁切り寺・東慶寺。現代とは異なり、女性側から離縁を切り出すことが許されなかった時代において、東慶寺は虐げられた女たちの「最後の砦」であった。そこに駆け込む二人の対照的な女性――顔を焼かれ暴力を振るわれた職人・じょご(戸田恵梨香)と、豪商の愛妾として華やかに振る舞いながら突然姿を消したお吟(満島ひかり)。彼女たちが医者見習いの信次郎(大泉洋)と出会うことで、物語は静かに、しかし力強く動き出す。
中でも、物語の精神的支柱とも言える妖艶さと哀しみを見事に体現した満島ひかりの演技は、観る者の心に深く突き刺さる。物語の序盤、満島ひかり演じるお吟は、観客にとって「謎」の存在である。堤真一演じる堀切屋の主人・三郎衛門の愛人として、何不自由ない暮らしを送り、天保の質素倹約などどこ吹く風とばかりに派手に遊んでいた彼女が、なぜすべてを捨てて泥まみれになりながら山道を走るのか...。









