満島ひかりの"抑制された情熱"を感じさせる演技!艶っぽい表情から目が離せない「駆込み女と駆出し男」

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満島ひかりの美しさと圧倒的演技力で表現されたお吟に注目
満島ひかりの美しさと圧倒的演技力で表現されたお吟に注目

(C)2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

東慶寺に入るにあたっての尋問(聞き取り)に対し、彼女が自身の生い立ちを語るシーンは圧巻だ。とうとうと流れるような早口、一切の淀みを感じさせない言葉の礫、それでいて、視線ひとつに宿る抗いがたい色気。満島は、この膨大な台詞量を単なる「説明」に終わらせない。リズムに乗った言葉の端々に、江戸の女としての矜持と、隠しきれない虚無感を滲ませる。彼女が放つ妖艶さは、決して男を誘惑するための武器ではなく、自分の運命を自分でコントロールしようとする強い意志の表れなのだ。

物語の中盤から終盤にかけて、お吟がひた隠しにしてきた「駆け込みの真意」が明らかになる。「胸の内の苦しさ、悲しみ」が浮き彫りになる瞬間、満島ひかりの演技はさらなる深化を見せる。それまでの饒舌さが嘘のように、沈黙や微かな震えが彼女の苦悩を代弁する。観客はここで、彼女がどれほどの覚悟を持って「粋」を演じ続けてきたかを知るのだ。

満島ひかりという俳優は、これまでも「愛のむきだし」(2009年)や「川の底からこんにちは」('2010年)、あるいはテレビドラマ「Woman」(2013年)などで、魂を削るような剥き出しの感情表現を見せてきた。彼女のパブリックイメージは、どこか"脆さと隣り合わせの狂気"や"叫び"にあることが多い。

■満島ひかり演じるお吟と戸田恵梨香演じるじょごの関係性にも注目

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