吉永小百合&三浦友和の繊細な感情表現に思わず涙を誘われる...10日間の恋を描いた日曜劇場「小ぬか雨」
俳優

そんな藤沢文学の繊細な心の機微を、吉永と三浦は丁寧に描き出している。互いに、駄目だと分かっていながらどうしても惹かれてしまう"理性と感情のギャップ"を、表情や視線、せりふ回し、所作に落とし込み、演技によって"恋に堕ちていく"ように観る者もキャラクターの感情に引き込んでいくところが圧巻。
これは"体面と本音の表現のバランス"が絶妙だからこそ成せる技で、当時の吉永は35歳、三浦は28歳と、役者としてはまだまだ若手の時代に、ここまでの域に達していることに驚かされる。加えて、クライマックスの吉永の美しく哀しい表現に、誰もが涙を禁じ得ないだろう。
藤沢周平作品の醍醐味を、十二分に表した吉永と三浦の繊細な感情が移ろう表現に心奪われながら、2人の今に通ずる演技の奥深さに思いを馳せてみてはいかがだろうか。
文=原田健









