(C)2021 『99.9-THE MOVIE』製作委員会
もうひとつ印象に残るのが、穂乃果が愛読している「ロボット弁護士B」のセリフやポーズを真似して、「ビシッ!」と決める場面だ。深山にたしなめられるまで含めて、『99.9』らしいユーモアのあるやりとりだが、ここにも穂乃果の個性がよくにじんでいる。真面目で勉強熱心なのに、どこか少しズレていて、思い込んだら一直線。その危うさと親しみやすさを、杉咲は自然体で見せていた。過去シリーズのヒロインたちとはまた違うかたちで、穂乃果はこの世界に新しい風を吹き込んでいる。
そして何より今作では松本と杉咲のコンビにも注目してほしいところだ。深山は、このシリーズの中心にいる揺るがない存在である。だからこそ、その隣に立つ穂乃果には、ただ圧倒されるだけではない柔軟な反応が必要になる。驚き、戸惑い、振り回されながらも、それでも置いていかれまいと懸命についていく。その姿があるからこそ、穂乃果は"新しく加わった人物"にとどまらず、深山のそばで物語を前へ進める存在として印象を残していく。松本の安定感のある芝居が杉咲のまっすぐさを引き立て、杉咲のひたむきな反応が深山の自由さをより魅力的に見せる。師弟のようでもあり、どこか凸凹のバディのようでもある2人の関係が、この映画に心地よい新しさを生んでいた。
「99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE」は、シリーズらしいテンポやユーモアを保ちながら、映画ならではのスケールで事件の真相に迫っていく作品だ。その中で杉咲は、穂乃果のまっすぐさや勢いを通して、深山とはまた違うかたちで物語を動かしていた。事件の真相はもちろん、松本との共演の中で杉咲がどんな存在感を放っているのかにも注目してみると面白いだろう。
文=川崎龍也











