高橋文哉津田健次郎、『最愛』で再注目される助演の魅力 優と山尾に宿った繊細さと静かな圧

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「最愛」
「最愛」

(C)TBSスパークル/TBS

一方、津田にとっても、「最愛」は実写俳優としての存在感を広く印象づけた作品だった。津田といえば、まず声優としてのキャリアを思い浮かべる人も多いだろう。低く響く声、独特の間、言葉ににじむ緊張感。その表現力は、アニメや吹替、ナレーションなど、さまざまな場で強い印象を残してきた。声優としての表現力を生かしながら、ドラマや映画でも重要な役どころを担い、今では俳優としても作品に自然な存在感を添えている。今年1月期のドラマ「ラムネモンキー」で主演を務めたことも、そうした歩みの延長にある。声の魅力はもちろん、画面にいるだけで空気を変えられること。それが、津田健次郎が実写作品でも求められ続ける理由なのだと思う。

そんな津田の魅力が、実写の画面の中で強く伝わったのが、山尾敦役だった。山尾は、警視庁捜査第一係長として刑事たちをまとめる人物。物語の中心に立つ役ではないが、登場するだけで捜査現場の空気が引き締まる。指示を出す声の重みはもちろん、部下を見る鋭い目線や、感情を簡単に表に出さない立ち姿にも説得力があった。

津田の芝居には、言葉にしすぎないからこそ伝わるものがある。山尾は派手に感情を動かすキャラクターではないが、画面にいるだけで捜査現場の空気が変わる。短いセリフの重み、言葉を発する前の間、視線の動かし方。表情を大きく崩さずに感情をにじませる芝居からは、声優として培ってきた表現力と、実写俳優としての存在感の両方が感じられた。

「最愛」は、梨央と大輝のラブストーリーとしても、事件の真相を追うサスペンスとしても、そして大切な人を守ろうとする家族の物語としても見応えがある作品だ。放送当時に夢中で見ていた人はもちろん、近年の高橋や津田の活躍をきっかけに興味を持った人にとっても、今あらためて触れる価値がある。6月27日(土)のファミリー劇場での放送では、物語の中心にいる吉高由里子、松下洸平、井浦新の芝居に加えて、作品を支える助演陣の表情にも注目したい。高橋と津田が「最愛」の中でどんな存在感を残していたのかを確かめながら、この名作をもう一度味わってほしい。

文=川崎龍也

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