エンタメづくりからひも解く小池徹平の"俳優としての矜持"「ラクはするけど、手抜きはしない」【スカパー!30周年】
俳優

――子ども向けの作品とはいえ、真剣に見ていると、新たな発見がありそうですね
「そうなんです。僕たちが子どものときに見ていた『ドラえもん』や『アンパンマン』など、大人になって触れると、見え方が変わってくるんですよね。子どものときは、主人公たちを中心に見ますが、今はどちらかというとお父さんやお母さんを見てしまいます。
たとえば、親とけんかをした主人公が、旅先で別の親子の衝突と和解を目の当たりにする......という定番の展開がありますよね。その親子がやがて仲直りする姿を見て、主人公は自分を省み、家に帰って両親にきちんと謝るんです。親としては、けんかをしても子どもへの愛は変わりませんし、いちいち根に持っているわけでもありません。しかし、子どもが自分なりに深く考えて謝れるほどに成長する姿を見ると、自分の子どもに重ねて感慨深くなってしまいます」
――ご覧になった作品、ご自身が出演した作品でもかまいません。「人生に影響を与えた作品」について教えてください
「自分の出演作で転機になったのは、松尾スズキさん演出、大人計画さんの舞台『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』です。大人計画さんって、グロテスクなところまでえぐってくる演出やセリフが多いじゃないですか。演者の方々も奇抜なお芝居をされる方が多く、刺激を受けたのを覚えていますね」
――特にどんなところに刺激を受けたんですか?
「稽古中に『小池くん、皆川(猿時)くんのふくらはぎ噛んで』と言われました」

――(笑)
「そのあとも『ふくらはぎを噛む前に"生ハム"って言って』みたいな。そうしたストーリーにまったく関係ないセリフや演出を受けたときに、『劇団の中に混ざってお芝居をさせてもらっているな!』と実感が湧きました。ものすごく楽しくて、ずっと印象に残っています」
――その体験以降、ご自身で演技の幅が広がった実感はありますか?
「そうですね。すごい方々ばかりだったので、自分の中で自然と吸収していたと思うし、『あの方々と一緒にやったんだ』と自信にもなりました。『キレイ』出演後は『この作品に出られた。よし、じゃあ次ももっとがんばろう!』と、箔がついたと思います」
――「俳優としてのエンタメの作り方」についてお聞きします。演技をするうえで、最初に固める軸はどこになりますか?
「自分が演じるキャラクターがどんな人物なのか、人間性をプロファイリングするところから始めますね。原作があったら原作のイメージから突き詰めていくこともありますが、オリジナル作品は自由なので、セリフのちょっとした言い回しからヒントを得ることが多いです。そうした基礎作業は大事にしていますね」











