長尾謙杜×山田杏奈が抑制と揺らぎの芝居で好演!相次ぐ不審死の陰で深まる危うい初恋を描く「恋に至る病」

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山田杏奈がカリスマ性と不穏さを併せ持つ人気者の女子高生を演じる『恋に至る病(2025)』
山田杏奈がカリスマ性と不穏さを併せ持つ人気者の女子高生を演じる「恋に至る病(2025)」

(C)2025 『恋に至る病』製作委員会

一方で、景は学校中から慕われる人気者でありながら、周囲を自在に操るようなカリスマ性と、どこか底知れない不穏さを併せ持つ人物として描かれる。転校初日、宮嶺への態度をひと言でクラス全体に変えてしまうほどの求心力を見せたかと思えば、水族館デートを冷やかされた際にはどこまでも思わせぶりな態度で返し、宮嶺との関係を否定も肯定もしない。いじめを止めようと根津原に立ち向かう場面では、正義感からなのか、それとも自身の計画を守るためなのか、判別のつかない絶妙な表情を見せる。優越感なのか恋心なのか、観客に判断させないまま物語を牽引していくこの役ならではの緊張感を、山田は見事に体現した。明るい笑顔の裏に何を隠しているのか最後まで測らせない、繊細な緩急のつけ方こそが、山田の芝居の真骨頂と言えるだろう。

当初は互いに壁を作りながら、少しずつ距離を縮めていった宮嶺と景。放課後に他愛のない話で笑い合ったり、些細な出来事に一喜一憂したりする2人の間に恋心が芽生えていく様子を見ていると、微笑ましい気持ちにもなる。とはいえ、この物語の根底には、同級生の不審死という不穏な影が常に付きまとう。平穏な時間はそう長くは続かず、疑惑が深まるほどに、宮嶺と景それぞれの本心がどこにあるのか、観客も判断がつかなくなっていく......。

共演は3年ぶり、劇場用映画としては初めてタッグを組んだ長尾と山田。抑制の効いた芝居で恋の予感と恐怖を伝える長尾と、笑顔の奥に何を隠しているのか最後まで読ませない山田。対照的な2人の演技がぶつかり合うからこそ、この危うい初恋を最後まで見届けたくなるのだ。

文=川崎龍也

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