松坂桃李が"若き娼夫"を熱演し、危うさと純粋さを表現――映画「娼年(R-15版)」官能の奥にある人間ドラマ

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主人公の男子大学生・領を演じる松坂は、撮影当時29歳。しかし、映画冒頭で彼が見せる裸体とがむしゃらな愛の交歓シーンは驚くほどに瑞々しく、若さにあふれている。それだけでなく、長い前髪から覗くどこか自信なさげに視線が揺れる暗い瞳や、気だるげな表情、抑揚がなく控えめな話し方は、まさに少年と青年の境をたゆたう時期にしか出せないはずの青臭いオーラを放っている。そんな領のナイーブさが最も鮮やかに描かれるのが、領と静香、そして咲良の3人で、領の行きつけの居酒屋で食事をする場面だ。

静香から年上の女性とうまく付き合う秘訣を聞かれた領は、10年前に出先で倒れて亡くなった母との思い出を語る。未だに昇華できていない悲しみを受け止めてくれた2人の前で、領は思わず涙を流すのだ。そこで松坂が見せる表情はどこまでもピュアで、観る者の胸を打つ。「肩を貸してくれ」と言われただけだったのに、子どものように泣きじゃくる領を思わず抱きしめてしまった静香だが、彼女の行動に共感した女性ファンも多かったはず。そんな領の危うさとピュアさを体現した松坂の熱演は、要注目だ。

静香に弱い自分を受け止めてもらい、大人の女性たちと金銭を介した肉体関係を重ねる中で、人として成長していく領。前髪に隠れていた瞳は次第に自信に満ちあふれ、女性たちとのひとときの中でも、髪をなでる手に優しさがこもるように。そんな細やかな仕草から、領の変化を表現した松坂の演技力に驚かされるはずだ。

映画公開当時も、松坂と江波杏子を始めとする実力派俳優陣が見せる、激しくも美しいベッドシーンが話題となった本作。松坂の体当たり演技に注目しながら、領と大学の同級生との関係や、領の中に募っていく静香への思いなど、官能性の奥にある繊細な人間模様も味わってほしい。

文=HOMINIS編集部

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