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かつて、プレイボーイの訓練生パイロットを演じた俳優が、今は人間の心理の歪みを静かに見透かす専門家を演じている。この役柄の変遷そのものがすでに一種の面白みがある。だが、それは「俳優が渋くなった」という単純な話ではない。氷室想介というキャラクターが持つ「冷静で、時に冷徹に見えるほど相手の嘘を暴いていく」という資質は、小泉が培ってきた「どこか掴みどころのない、でも芯のある人間」というイメージと実はずっと地続きだったのかもしれない......と思わせる説得力がある。
また、シリーズを通じて、氷室のバディを務める刑事・田丸有希役の美村里江との掛け合いも大きな楽しみの1つだ。重苦しい事件の展開と2人のテンポのいいやり取りが交互にやってくるため、視聴者が物語の波に乗りやすい空気が生まれている。氷室がシリアスに追い詰めていくパートと、小泉本来の飄々とした軽みが漏れ出るパートのバランスが、このシリーズを単なるミステリーに留めない重厚さに押し上げている。
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そして、本作はシリーズ史上最も濃密な人間模様が描かれている。カリスマ塾長役の升毅のほか、南野陽子、稲葉友などといったゲストキャストが加わり、塾を舞台に「なぜ、この人はこういう選択に至ったのか?」という問いを氷室が掘り下げていくことで、推理の面白さと人間観察の面白さが重なる作品になっている。
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40代の半ばを過ぎて増した渋みと、バラエティ番組で磨かれた軽妙さの両方を併せ持つ今の小泉孝太郎でなければ成立しない氷室像が、シリーズを重ねるごとに少しずつ見えてきている。
文=HOMINIS編集部











