名作ドラマ「すいか」で魅せる小林聡美の"普通の女性"が大人に刺さる...映画「かもめ食堂」にも通じる静かな芝居

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同作で小林が演じたのは、フィンランド・ヘルシンキの街角にある小さな食堂を切り盛りする日本人女性・サチエ。片桐はいり演じるミドリ、もたいまさこ演じるマサコらとのほのぼのとした日常が描かれる。そのなかで小林は、感情を抑えた"体温の低い"確かな演技でサチエというキャラクターを体現しており、今なお多くの人に愛される名作となっている。

「かもめ食堂」
「かもめ食堂」

「すいか」で演じた基子が、個性的な住人たちとの関わりの中でゆっくりと自分の輪郭を見つけていく役だとすれば、「かもめ食堂」のサチエは、訪れる人々を柔らかく受け入れる人物だ。言葉の端々から漂う凛とした空気感や、背筋のピンと伸びた美しい佇まいは、小林聡美という俳優が放つ確かな説得力そのものである。

なかでも、サチエがメニューの「おにぎり」を作るシーンでは、穏やかな表情を浮かべながら無駄のない所作で丁寧に握る様子が描かれており、セリフがなくても手つきや表情だけで、サチエの人物像をたやすく想像できる。これは小林の演技力の賜物だろう。

「かもめ食堂」
「かもめ食堂」

「日常は奇跡に満ちている」――これはドラマ「すいか」が教えてくれたことだ。そのメッセージを、小林聡美はのちの映画「かもめ食堂」をはじめとする数々の作品でも静かに体現し続けてきた。時代を超えて愛され続ける名作の空気を、この機会にじっくりと堪能してほしい。

文=HOMINIS編集部

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