(c)Recorded Picture Company
坂本龍一が音楽を手がけ、俳優としても出演したベルナルド・ベルトルッチ監督作『ラストエンペラー』。その劇場公開版を4Kレストアした『ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア』が、11月3日(火)にザ・シネマで放送される。
本作は、中国・清朝最後の皇帝となった愛新覚羅溥儀の生涯を描いた歴史大作。幼くして皇帝となり、やがて清朝の崩壊、満州国皇帝への即位、戦後の収容所生活まで、激動の時代に翻弄された一人の人間を追っていく。1988年の第60回アカデミー賞では作品賞、監督賞をはじめ9部門を受賞。坂本もデヴィッド・バーン、スー・ソンとともに作曲賞に輝いた。
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いまや坂本龍一を語るうえで欠かせない『ラストエンペラー』だが、もともと彼が参加したのは音楽家としてではなかった。ベルトルッチから最初に持ちかけられたのは、甘粕正彦役での出演。この時点では音楽を担当する話はなく、作曲を依頼されたのは撮影を終えた後だった。
坂本は1983年公開の大島渚監督作『戦場のメリークリスマス』でもヨノイ大尉を演じ、同作で初めて映画音楽を手がけている。YELLOW MAGIC ORCHESTRAのメンバーとしてすでに世界的な評価を得ていたものの、映画音楽家としてのキャリアはまだ始まったばかり。そんな坂本にとって、『ラストエンペラー』はその後の活動を大きく広げる転機となった作品だ。
しかし、作曲を引き受けた坂本を待っていたのは、過酷な制作スケジュールだった。それでも、完成した音楽からは制作期間の短さを感じさせない。壮大な映像に寄り添いながら、物語の世界観をより鮮明に描き出し、『ラストエンペラー』という作品を印象づける重要な役割を果たしている。
特に印象的なのは、東洋的な響きと西洋的なオーケストレーションを巧みに融合させている点だ。中国を舞台にした作品でありながら、伝統的な楽器や旋律によって異国情緒を演出するだけではなく、壮大なオーケストラの響きを重ねることで、物語にさらなる広がりを与えている。異なる音楽の要素が自然に溶け合い、時代や国境を超えて観る者の感情に訴えかけてくるのだ。




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