演技も話題性もピカイチ！俳優・山田孝之の「カメレオン俳優」ぶりに迫る

どんな役でもハマリ役にしてしまうことから、いつしか"カメレオン俳優"と呼ばれるようになった山田孝之。1999年にテレビドラマ「サイコメトラーEIJI2」でデビューした山田は、青春ドラマの純な高校生やアウトロー、ファンタジー世界の勇者など、さまざまな世界観の中でさまざまな役を演じてきた。今日までに扮した代表的な役を振り返りつつ、その魅力に迫ってみよう。

青春ドラマで主演男優賞を受賞「世界の中心で、愛をさけぶ」

デビュー直後の山田は、爽やかなイケメンぶりから青春系ドラマの出演が多かった。2003年には男子高校生がシンクロナイズドスイミングに挑むドラマ版「ウォーターボーイズ」で主演、マッチョで内気な進藤勘九郎役を務めた。

話題となったのが2004年のドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」。片山恭一のベストセラー小説をドラマ化したもので、山田は高校時代の主人公・松本朔太郎を演じた。朔太郎が号泣するシーンは多くの視聴者の涙を誘い、山田はこのドラマで第42回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演男優賞を受賞している。

今までにない山田の魅力を引き出した「勇者ヨシヒコ」

2011年にスタートした、某有名RPGをパロディ化したドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズでは、主役の勇者ヨシヒコに扮した。ヨシヒコは正義感あふれる青年だが、シュールなギャグを飛ばすシーンがふんだんに盛り込まれ、それまでになかった山田の魅力を引き出した。端正な顔立ちとギャグのギャップが、山田という俳優を強烈に印象付けた作品と言えるだろう。

闇の世界を牛耳るアウトローが超ハマり役「闇金ウシジマくん」『新宿スワン』

山田孝之といったらこの作品は外せない。ドラマ3作、映画4作が制作された大ヒット作「闇金ウシジマくん」だ。ドラマのスタートは2010年で、山田は「ウチは10日5割（トゴ）だけど」と法外な金利を吹っ掛けるカウカウファイナンスの社長・丑嶋を演じる。

メガネやヒゲなど、容姿を原作そっくりに作り込んだだけでなく、闇の世界で生きる男のクールさ、冷酷さを見事に演じた。共演した大島優子に「殺される！と思った」と言わしめるほどの演技だったという。

また2015年の映画『新宿スワン』では、歌舞伎町を舞台に女性を夜の仕事に勧誘するスカウトマン・南秀吉役を務めた。綾野剛が演じる主人公・白鳥龍彦のライバル的存在であり、黒髪＆オールバックという白鳥とは対照的な外見で、闇世界でのし上がろうとする野心家を演じ切った。

ダークな戦国武将もお任せ『信長協奏曲』

石井あゆみの人気コミックを実写化した2016年公開の映画『信長協奏曲』では、羽柴秀吉役を務めた。信長への復讐を誓い命を狙うという設定で、常にダークな空気を漂わせていた。イケメンなだけに、甲冑に身を包んだ姿も凛々しかった。

目指すはカンヌ国際映画祭！『映画 山田孝之』

2017年にスタートした、山田と山下敦弘監督が組んでカンヌ国際映画賞を目指すドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」。そこから派生して生まれた映画が『映画　山田孝之』だ。多くの人々を魅了する俳優・山田の思考にダイブし、山田孝之という人間に迫る内容で、幼少期の思い出や初恋、芝居などについて、幻想的な映像とともに山田の考え方が語られる。カンヌ映画祭に正式に応募された。

世界観、役柄を問わず、あらゆる役になりきってしまう俳優・山田はまさに"カメレオン俳優"。そんな彼が自分自身をさらけ出す『映画　山田孝之』が8月25日(土)に放送予定だ。TV初の放送となる。

8月からは、山田孝之の自身初全面プロデュース映画『デイアンドナイト』公開を記念した大特集も用意されている。「連続特集　山田孝之総合研究所　Supported by 『デイアンドナイト』」として、『新宿スワン』や『凶悪』など山田孝之関連作品を来年1月まで続々放送予定。「史上初『闇金ウシジマくん』ドラマ＆映画一挙放送」では、タイトル通り「闇金ウシジマくん」のドラマ＆映画をすべて放送する。いろいろな作品を見比べて、山田のカメレオンぶりをとくと味わってほしい。

文＝堀慎二郎

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