「縁で繋がっている」鈴木拡樹が舞台「どろろ」で北原里英有澤樟太郎らと描く家族のかたち

手塚治虫(※「塚」は正しくは旧字)原作で現在放送中のTVアニメ「どろろ」を原作とする舞台「どろろ」の東京公演が3月7日(木)に開幕。同日、東京・池袋のサンシャイン劇場で行われた舞台挨拶と、公開ゲネプロが行われた。

【関連インタビュー】鈴木拡樹が「どろろ」について語る!

本作は人気俳優の鈴木拡樹がアニメ版(時代劇専門チャンネルほかで放送中)と同じく主人公・百鬼丸を演じることでも注目を集めている。舞台挨拶で鈴木は「登場するほぼすべてのキャラクターが、何かしらの家族の縁で繋がっています。今までにない、家族に重きをおいた舞台『どろろ』を、できればご家族で楽しんでほしい」と見どころを挙げた。

(C)手塚プロダクション/舞台「どろろ」製作委員会

また、太陽のようにみんなを照らす、どろろを演じる北原里英は「今日のお天気は晴れにすることができなかったんですが、舞台の上では太陽として生きていけるように頑張っていきたいと思います」と弾ける笑顔を見せ、百鬼丸の弟・多宝丸役の有澤樟太郎は「舞台という生ならではの迫力や人間の生々しさが、存分に出ているので注目してもらいたいです」と語った。そして脚本・演出を手掛ける西田大輔が「すべてを失った百鬼丸が、どろろという太陽に出会って、希望を手に入れる物語になればと思っています」と締めくくった。

物語は戦国時代、アニメ版と同様、百鬼丸の誕生から始まる。石川の領主である醍醐景光は、十二体の鬼神に領土の繁栄を願った。しかし、生まれた赤子はその願いの成就と引き換えに目も耳も口もない姿で生まれ、捨てられてしまう。16年後、医者の寿海から作りものの体を与えられて育てられた百鬼丸は、体を取り戻すべく鬼神を探していたところ、ひょんなことから幼い盗賊のどろろと共に旅をすることになる。

(C)手塚プロダクション/舞台「どろろ」製作委員会

妖刀・似蛭(にひる)に憑りつかれて辻斬りを繰り返す仁木田之介、国境"バンモン"を越えて母親に会いたいと願う助六、母親を鵺(ぬえ)に食われた槍使い・賽の目の三郎太との出会いの中で、鬼神を倒すたびに百鬼丸は奪われたものを取り戻していく。

(C)手塚プロダクション/舞台「どろろ」製作委員会

一方、醍醐景光は死んだはずの赤子が生き延び、鬼神を倒しているせいで領土の平和が脅かされていると考えていた。景光の嫡子・多宝丸は、父がかつて兄にした仕打ちを知って衝撃を受けるが、百鬼丸と領民たちの平穏な暮らしを天秤にかけて思い悩む。

(C)手塚プロダクション/舞台「どろろ」製作委員会

全編を通してスピーディーな殺陣(たて)がふんだんに盛り込まれており、特に義手を外して両腕の仕込み刀で戦う百鬼丸の迫力は、人間ならざるすごみを感じるほどだ。白いキツネや鵺など巨大な化け物は、アンサンブルキャストのダンスによって表現され、独特の不気味さを放つ。

(C)手塚プロダクション/舞台「どろろ」製作委員会

舞台挨拶で見どころとして語られたように、作中ではさまざまな家族のかたちが描かれる。それは決して優しいものばかりではない。生まれながらにしてあらゆるものを奪われた百鬼丸と、彼の犠牲の上で生きる多宝丸や2人の母・縫の方(ぬいのかた)の苦悩、耳を取り戻した百鬼丸が「どうして殺したの」と、鬼神に憑かれた者の妹から責められるシーンなど、見ていて胸が締めつけられるところも多い。しかし、そんな百鬼丸が歩むつらく険しい道を明るく真っすぐな、どろろの存在が照らしてくれる。

3月17日(日)の東京千穐楽公演は、テレ朝チャンネル1で生中継。百鬼丸たちの壮絶な生きざま、そして確かな希望が感じられる舞台版の「どろろ」に注目だ。

文=中島文華

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放送情報

■舞台
どろろ (生中継)
放送日時:2019年3月17日(日)16:55~
チャンネル:テレ朝チャンネル1 ドラマ・バラエティ・アニメ

■アニメ
どろろ #10
放送日時:2019年3月16日(土)02:00~
※毎週(土)02:00~
どろろ(1969) #12
放送日時:2019年3月16日(土)02:30~
※毎週(土)02:30~
チャンネル:時代劇専門チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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