大きな瞳とあどけなさを残す顔立ちで女性に人気の俳優・瀬戸康史。今年もドラマ「パーフェクトワールド」(フジテレビ系)や「デジタル・タトゥー」(NHK総合)、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』など話題作に次々に出演し活躍中だ。
瀬戸が芸能界に入ったのは16歳の時。瀬戸自身は芸能界に興味はなく、獣医に憧れていたという。しかし親が「D-BOYSオーディション」に書類を送り、しかも準グランプリを受賞してしまったため、この道を歩むことになった。
「D-BOYS」は男性若手俳優で構成される集団で、やがて瀬戸もドラマや舞台に出演し始める。2006年には多くのファンを持つミュージカル『テニスの王子様』で菊丸英二役を務め注目を浴びた。
2008年のドラマ「恋空」(TBS系)ではヒロを演じ、2011年にはNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に森蘭丸役で出演するなど活躍。2017年には舞台『関数ドミノ』で主演し、第72回文化庁芸術祭演劇部門の新人賞を受賞。演技力の高さも折り紙付きとなった。
そんな瀬戸が知名度を上げた代表作といえば、2008年に放送された「仮面ライダーキバ」(テレビ朝日系)だろう。仮面ライダーシリーズは若手俳優の登竜門とされ、瀬戸もその道を通ってきたのだ。しかもこの時、ドラマ「恋空」の撮影も重なっていて、睡眠時間は1日3分ほどだったという。また仮面ライダーの主演俳優が同時に他のドラマに出演するという、前代未聞の状況でもあった。
瀬戸はTVドラマ版はもちろん、2008年に公開された『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王 ディレクターズカット版』でも主人公の紅渡役を務めた。劇場版は仮面ライダーアークを復活させ地上制覇を企むレジェンドルガとの戦いを軸に、現在と過去が絡み合いながら物語が展開する。
瀬戸の演技はTVドラマ版の時から評価が高く、劇場版でも気弱で内気な渡の性格がよく伝わる演技を見せてくれる。他人と会話するときの遠慮がちな空気や、学校でイタズラされた時に見せる困った顔なども板についている。
おとなしい主人公のため、女性好きで大げさなセリフ回しをする父・音也(武田航平)や、強気で渡を引っ張るヒロイン麻生恵(柳沢なな)といった他の登場人物の存在もより際立つようになっている。それでいて決めるところは決める、非常に存在感のある主人公となっているのだ。
さらに本作では、瀬戸が女装したり、音也役の武田と入浴して身体を洗いっこするシーンまで登場。ファン必見の1作といえそうだ。
『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王 ディレクターズカット版』は10月6日(日)に東映チャンネルにて放送。これからさらに躍進するであろう俳優・瀬戸康史の若き日の演技を、改めて見てみたい。
文=堀慎二郎
放送情報
劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王 ディレクターズカット版
放送日時:2019年10月6日(日)11:30~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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