齊藤工は"静かな変態"!主演・北村一輝が監督・齊藤工を語る

写真左から齊藤工、北村一輝
写真左から齊藤工、北村一輝

齊藤工が監督、北村一輝が主役を務めるホラー作品「TATAMI。同作品は、傑作ドラマを世に送り出してきたアメリカのケーブルテレビ放送局HBO(R)のアジア部門であるHBO(R)アジア製作の「フォークロア」の日本制作作品。

「フォークロア」は、アジアの6つの国(インドネシア、日本、シンガポール、マレーシア、タイ、韓国)の伝承(=フォークロア)を基にした、全6話の新感覚ホラー作品で、トロント国際映画祭やシッチェス・カタロニア国際映画などの国際映画祭で紹介され、高い評価を得た。この作品が、スターチャンネル2で11月10日(日)に一挙放送される。

「TATAMI」では、齊藤監督本人が"畳の染み"にまつわる物語を完全オリジナルジャパニーズ・ホラーとして制作したもので、北村を主演に日本で古くから伝わる恐怖を世界に発信している。

今回、齊藤監督と北村にインタビューを行い、オファーを受けた時の心境や作品に込めた思い、撮影を通して発見した互いの新しい一面などについて聞いた。

ホラー作品「TATAMI」の監督を務めた齊藤工

――最初にオファーを受けた時の心境は?

齊藤「面白いプロジェクトだなと思いました。他に参加される国の監督のお名前を聞いて『黒沢清さんのような方がふさわしい枠だな』と (笑)。でも、(齊藤の長編映画監督デビュー作の)『blank13』をアジアの人たちが評価をしてくださって声を掛けていただいたと聞いたので、『やらせていただこう!』と。そして、『やるからにはメイド・イン・ジャパンの質の高いホラーを作らないといけない』という責任感も同時に生まれたので、わくわくしましたし気合も入りました。日本から海外の扉を開けた先駆者でもある大先輩の北村さんと作れたら、他のものに負けないものになるんじゃないかと思いました」

北村「作品関係なく、『あ、工くんが撮るのか!うれしいな』と!工くんはデビュー前から知っていて、『僕は俳優もやるし、監督もやりたいんです』という話を聞いていたので、あれから20年くらい経ちその間も着実に歩んで来ていて、彼の作品を観るたびに喜ばしく思っていたので、一緒にできるというのはまず無条件でうれしかったですね」

「フォークロア:TATAMI」より

(c)2018 HBO Pacific Partners, v.o.f. HBO and HBO Asia Originals are service marks of Home Box Office, Inc. FOLKLORE is a service mark of HBO Pacific Partners, v.o.f. Used with permission. (c) 2019 HBO Asia. All rights reserved.

――アジアの6カ国がそれぞれ異なったホラーを制作する企画の日本作品を手掛けるということについては?

齊藤「北村さんが主演されたインドネシアの『KILLERS』(2012年、日本・インドネシア合作)もそうですが、僕ら日本人が知らないだけでアジアのホラーやサスペンスって卓越していて、ここ数年でものすごく水準が上がっているんです。そんな中で、日本のホラーは『リング』(1998年)とか『呪怨』(2000年)といったインパクトがあるものを世界的に見ても超えられていない現状もあるなと。一方で、ハリウッドのホラーブームの流れでアジアのホラーに注目するというのはなんとなく自然な気もしたので、『じゃあ、どういった作品を作ろうか』と考えた時に、"動"ではなく"静"の『内なるホラーがジャパニーズ・ホラーなのかな』と思って、この作品を手掛けました」

北村「僕たちが『日本のホラーはすごい』と思っている以上に、他国でも評価をされていますが、日本だけが特別という時代ではなく、世界中が進化してきている中で、横一線になりそれぞれ良いものを作らないとちゃんと評価されない時代でもある。そういった中で、自分がその枠の一部になれるというのはすごくうれしかったですね」

――齊藤さんが演出面でこだわった部分は?

齊藤「ホラーというジャンルを得意とされる監督は日本にはたくさんいらっしゃいますし、特殊なジャンルでもあると思ったんですけど、今まで僕が観てきた映画のアーカイブの中で、どんな映画も"良い""悪い"では片付けられない長所も短所もあるので、観てきたホラーのそういったものを踏襲したいなという思いはありました。そんな中で、"海外の人に観てもらう日本的なもの"なので、『畳』という英語にはない"世界共通の言語であるもの"と、『藁人形』の要素から畳のイグサの下は藁なので、人型じゃない"藁に宿されたもの"を描きたいなと。それをアトラクション的ではなく、静かな世界の中で描く。同時に、『この作品特有のホラー描写も作ろう』と、けっこうロジカルに取り組みました」

監督・齊藤工の演出について語ってくれた北村一輝

――北村さんは齊藤さんの演出はいかがでしたか?

北村「演技経験がある監督とない監督では、演出はずいぶん違いますね。お芝居にどのくらいの力があるのかという事が見えていて、そこで表現できる部分とカメラアングルなどで表現できる部分という違いを明確に理解していますね。また、俳優から見るとすごくやりやすい状況を作っていただいているなと思いました。監督も十人十色ではありますが、クレイジーだったり、いろんな変態だったりしますが(齊藤は)"静かな変態"...(笑)」

齊藤「うれしい!(笑)」

北村「これは昔からからですけどね。現場では、普通な感じで進めていますが、すごく考えながらやっているなというのは感じていました。お芝居だけではなく、どう見せるかというのもありますが、"静かな世界観"という部分をものすごく考えているなと。やはりチームで作っていましたので、自分のことに一生懸命でありながら、周りにも気を配れていて、すごく居心地の良い現場でした」

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放送情報

フォークロア
放送日時:2019年11月10日(日)14:45ほか
※齊藤工が監督を務めた2話「TATAMI」は同日の後15:45~
チャンネル:スターチャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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