戦う姿が凛々しい！戸田恵梨香が風変わりな捜査官役で見せた存在感

2006年に大ヒット映画『DEATH NOTE デスノート』で映画デビューを果たした戸田恵梨香。ゴスロリファッションの人気アイドル、ミサミサ(弥海砂)役は今も鮮烈に記憶に残っているが、新型コロナウイルスの影響もあり、再放送されている「野ブタ。をプロデュース」(2005年)でも17歳の初々しい戸田が話題となった。

いまや朝ドラ「スカーレット」で女性陶芸家の情熱的な生き方を年老いていく様までみごとに表現。誰もが認める演技派女優に成長した戸田恵梨香だが、そのキャリアを振り返ってみると医師役を演じたドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」、人には無関心な科学捜査のスペシャリスト役を演じたドラマ「BOSS」、新人弁護士役を演じた「鍵のかかった部屋」、若年性アルツハイマーに侵される女医役を演じ、ムロツヨシ演じる小説家との純愛で視聴者を泣かせた「大恋愛～僕を忘れる君と」(2018年)と知的で媚びない女性を演じることが多かった。

そんな戸田恵梨香が当時、自身の代表作と発言していたのがIQ201の頭脳を持つ捜査官に扮した異色の刑事ドラマ「SPEC～警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿～」(2010年)だ。のちにスペシャルドラマや映画『劇場版 SPEC〜天〜』、『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇・爻ノ篇』が公開となる大ヒット作となったこの作品で戸田が演じたヒロインとは？

■戸田が演じるのは化粧っ気なし、餃子が大好物の風変わりな捜査官

戸田が演じているのは超能力など特殊能力(=SPEC)を持つ者による難事件を捜査する"未詳所属"の警部補、当麻紗綾だ。PCのスキルも半端なく、頭脳明晰だが、どこから見ても変人。トレードマークはグレーのスーツとボサボサの長い髪と左腕の三角巾とエンジのキャリーバッグ。主食は大好物の餃子で、年上、年下に関わらず態度はつねにぶっきらぼう。語尾に「っすね」「じゃないっすか？」がつくことが多いのが特徴だ。推理するときの必須アイテムは書道セットで、筆で事件解決の糸口となるキーワードを何枚も書き、半紙の束を足で踏みつけたあとにちぎって紙吹雪のごとく宙に撒き散らし、「いただきました！」と言うのが定番だ。

ダブル主演の堅物で肉体派の相棒、瀬文(加瀬亮)との衝突がたえないコンビも甘さひかえめで絆を感じさせる関係が話題となった。自身の左腕の能力に葛藤しながら、細い身体で果敢にスペックホルダーに立ち向かっていく様は実に男前。コミカル×シリアスなキャラクターを20代前半とは思えない堂々とした存在感で演じる戸田に注目だ。

■さらなるスケール感のバトルシーンが映画の見どころ

ストーリーが繋がっていることもあり、ハマったら映画まで見ないと気が済まなくなるのが「SPEC」シリーズで、神木隆之介、有村架純らも出演。6月13日(土)にはTBSチャンネル1にて映画『劇場版 SPEC～天～警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿』、映画『劇場版 SPEC～結～漸ノ篇』、映画『劇場版 SPEC～結～爻ノ篇』が放送される。

海上で起きた謎の集団ミイラ化事件をキッカケにスペックホルダーとの戦いが激化し、ついには人類VSスペックホルダーの壮絶バトルにまで発展していき、当麻のはじけっぷりもマックスに。"凛々しい女優"と表現されることが多い戸田恵梨香だが、戦う女の原点はこの作品にあるのかも！？

余談になるが「スカーレット」でヒロインの父親役を演じた北村一輝と共演しているのも朝ドラファンにはちょっとツボである。

文＝山本弘子

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