コスプレに水責め...当時21歳の戸田恵梨香が体当たりで演じた無気力刑事の成長

「BOSS」に出演する戸田恵梨香
「BOSS」に出演する戸田恵梨香

凜々しさと儚さを兼ね備えたビジュアルと確かな演技力で、日本を代表する女優の1人となった戸田恵梨香。「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」や「予告犯」シリーズなど、数多くの人気ドラマでクールな頭脳派刑事を魅力的に演じ、「才色兼備の切れ者刑事役といえば戸田恵梨香」という印象を視聴者の胸に刻みつけてきた。

そんな彼女が、当時21歳で出演した作品が天海祐希主演のドラマ「BOSS」だ。

警視庁捜査一課に新設された、科学捜査などの専門的捜査で凶悪犯罪に対応する「特別犯罪対策室」の室長に抜擢された大澤絵里子(天海祐希)。しかし、アメリカ帰りの元キャリアでもある絵里子の元に集まったのは、朝起きられないために科捜研から放り出された木元真実(戸田恵梨香)、組織に属することに嫌気がさしている片桐琢磨(玉山鉄二)、生活安全課からやってきた"警視庁一のうっかり者"という異名を持つ男・山村啓輔(温水洋一)、やる気だけは人一倍の新人刑事・花形一平(溝端淳平)、暴力事件を起こして組織対策課を追い出された岩井善治(ケンドーコバヤシ)と、お世辞にもエリートとは呼べないような刑事たちばかりだった...。

本作で戸田が演じるのは、人に対して無関心な科学捜査のスペシャリスト・木元真実。第1話の初登場シーンでは、地下鉄の桜田門駅から目と鼻の先にある警視庁に出勤するだけなのにタクシーを使うという無気力ぶりを披露。タクシーの運転手に「目の前...」と抗議の声を上げられると「だるいの。行って」と不機嫌に言い放ち、特別犯罪対策室に到着した途端、すぐにトートバッグから愛用のクッションを取り出して、打ち合わせテーブルの上で即寝するという神経の図太さもみせた。

特別犯罪対策室の初仕事となる身元不明の焼死体の発見現場では、サボっているところを絵里子に見つかり怒られたにも関わらず、「私、刑事じゃないですから。科捜研からの異動、今でも納得していませんから」と反論。「給料分働きなさい」と絵里子に注意されても「私、人間に興味ないんで」と言い放つ真実を、戸田は目尻が上がったフォックスフレームのメガネと、持ち前の美声を駆使して表現した。

しかし、絵里子の情熱的で的確な仕事ぶりに触れ、徐々に心を開いていく真実。自らの殻に閉じこもる際に見せる、親指の爪を噛む仕草も少しずつ減っていく。真実が山田孝之演じる連続殺人犯に誘拐される第5話のクライマックスでは、銃を自分に向ける犯人に対し、「私、刑事だから」と宣言するまでに成長する。真実の心情の成長過程を、戸田は暗く淀んでいた瞳に強い意志の輝きを宿すという繊細な演技で見事に表現した。

作中では幼稚園児のコスプレを披露したり、水槽に拘束された状態で水責めにされるなど、体当たりで役に挑んだ戸田。当時21歳の戸田の、まだあどけなさが残る表情と確かな演技力を本作で堪能して欲しい。

文=中村実香

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放送情報

BOSS
放送日時:2022年9月19日(月)12:10~
チャンネル:フジテレビTWO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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