島崎遥香が一瞬の表情の切り替わりで表現したもの

2016年にAKB48を卒業後、女優として活躍している島崎遥香。2020年3月にはYouTubeチャンネル「ぱるるーむ」を開設し、飾らない自分を見せて新しい魅力を発信している。女優としては、連続ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」(2017年)や「NHK連続テレビ小説『ひよっこ』」(2017年)、映画「ニセコイ」(2018年)、映画「翔んで埼玉」(2019年)など数々の話題作に出演し、演技の幅の広さを披露している。

そんな島崎の演技の幅の広さが垣間見える作品が映画「劇場霊」だ。同作はジャパニーズホラーの巨匠・中田秀夫監督がメガホンを取ったホラー作品で、当時現役アイドルだった島崎は主人公の売れない若手女優・水樹沙羅を熱演。7月27日(月)にMONDO TVで放送される。

(C)2015「劇場霊」製作委員会

気鋭の演出家の新作舞台に端役で出演することになった沙羅が、主演女優や共演者たちと連日稽古に打ち込んでいたある日、劇場で美術スタッフが変死体で発見される。その後、主演女優が不慮の事故で降板し、沙羅が代役として主演を務めることに。そんな中、沙羅は舞台に置かれた人形が動き出すのを目撃してしまう、というストーリー。

島崎は、ひたひたと迫りくる怪奇現象に驚き、戸惑い、疑い、恐れ、慄き、逃げ惑い、叫喚するという"ホラー作品の主人公"という役どころをフレッシュな演技できめ細やかに演じているのだが、その中で一貫して「女優として売れていない」という境遇からくる沙羅の気弱さを表現しているところがすばらしい。怪奇現象が人形によるものだと気付いて周りに警鐘を鳴らす場面でも、全く信じてくれない周りに対してつい主張を引っ込めてしまう。そんな気弱さが、"ホラー作品の主人公"に欠かせない"巻き込まれ気質"を増幅させる効果を生み出している。

(C)2015「劇場霊」製作委員会

そんな中で、人形と目が合い魅入られてしまうような場面では、一瞬、沙羅としてそれまで見せていない、人間とは思えない血の通わない表情を見せる。その冷たくわずかに口角を引き上げた表情は、人形に魅入られた瞬間を視聴者に伝えると共に、怪異の計り知れない恐ろしさを描写している。このワンカットの中で瞬時に表情を切り替えるスキルこそ、島崎の演技の幅広さの表れに他ならないだろう。

さらに、クライマックスで人形と対峙した瞬間の表情やラストで見せる表情など、逃げ惑っていた沙羅とは全く異なる人間性を表情だけで表現し、女優としてのポテンシャルの高さを垣間見せてくれる。

中田監督が描き出すジャパニーズホラーの醍醐味を堪能しつつ、島崎が一瞬の表情で魅せる演技の幅の広さにも注目していただきたい。

(C)2015「劇場霊」製作委員会

文=原田健

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放送情報

劇場霊
放送日時:2020年7月27日(月)23:00~
チャンネル:MONDO TV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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