沢田研二、社会派ドラマで見せた円熟味を増した演技に注目!

1960年代後半に全盛期を迎えたグループ・サウンズ。そのブームをリードしたバンドの1つといえば、ザ・タイガースで異論はないだろう。1967年に「僕のマリー」でデビューした彼らは、すぐさま当時の人々から絶大な支持を集めて一大ムーブメントを巻き起こした。わずか4年という短い活動期間ながら、昭和音楽史に強烈なインパクトを残したザ・タイガースは、現在に至るまで伝説のバンドとしてファンの心に刻み込まれている。

解散後の彼らはそれぞれの道を歩んでいくことになるが、ソロとしてもトップアイドルに君臨した沢田研二は俳優としても高く評価され、多くの作品で活躍しているのはご存知の通りだ。中でも、沢田はアイドルの枠にとどまらない大人の演技を見せた映画『炎の肖像』(1974年)をはじめ、今なおカルト的人気を誇る『太陽を盗んだ男』(1979年)などに出演。歌手として見せる表情とはまたひと味違うセンセーショナルな演技でファンを魅了した。

「ふたつの愛」で医師を演じた沢田研二

(C)NHK

その後も80年代90年代と多くの作品に出演する中で、演じる役柄も変化していくが、その演技力は時を経るほどに磨かれていく。そんな彼が1998年に出演した連続ドラマが、衛星劇場で10月27日(火)より放送される「ふたつの愛」だ。NHKの水曜ドラマシリーズとして全6話で放送され、医療裁判をテーマに2人の男性の間で揺れ動く1人の女性の複雑な心境を描いた社会派ドラマである本作。

(C)NHK

沢田が演じる小児科医の伊野原亨は、彼が過去に行った治療が医療ミスではないかと訴えられ、原告側の弁護士・滝沢章吾(菊池隆則)とその真偽を長らく裁判で争っていた。この裁判の行方を大きく左右するのが、亨の妻である伊野原雪子(田中好子)だ。彼女は夫を愛する一方で、夫の闇を暴こうとする章吾に心惹かれている自分の気持ちに気付き、事件の真相が記された亨の日記を手に四国の山中へと姿を消してしまう。そんな雪子が過去と決別し4年の時を経て再び現実世界へと戻る決意をしたことから、運命の歯車が大きく動き出す。

(C)NHK

真実と雪子をめぐり、男の意地とプライドをかけて戦うシーンや少年とのやり取りの中で見せる優しさ。場面によって刻々と変化する亨の表情を巧みに演じ分ける姿は、俳優・沢田研二の真骨頂といえるかもしれない。円熟味を増した沢田の演技を収めた隠れた名作を、この機会に見届けたい。

文=安藤康之

この記事の画像

放送情報

ふたつの愛
放送日時:2020年10月27日(火)20:00~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

沢田研二の放送情報はスカパー!公式サイトへ

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連人物

関連記事

関連記事

人気の記事ランキング

ランキングをもっとみる

スカパー!