佐藤二朗山田孝之が作品への思いを語る「プロデューサーはやらなきゃいけないことだった」

――映画「はるヲうるひと」のオファーが来た時の心境はいかがでしたか?

山田「まず脚本を読んですごく面白いなと思ったし、(演じる)得太が十数年前に二朗さんが生み出してから『ずっと1人でふわふわしているんだろうな。かわいそうだな。せめて次は僕が寄り添ってあげて、映画として世に出て多くの人に知ってもらえたら少しは彼の人生が救われるんじゃないかな』と思ったので、『これはやるべきだ』と。二朗さんの脚本・監督作品でも、つまらなかったらやらないので。だから、次はもしかしたら断るかもしれないです(笑)」

佐藤「おいおいおい!頑張って面白いの書くから(笑)。でも、『魂が揺れた状態の俳優の芝居が見たい』『自分がやりたい』という思いでこの作品を書いて、それから12年たって山田孝之という人に共鳴してもらったというのは本当にうれしいですね」

――佐藤さんは"明るく、楽しい"というパブリックイメージとは対極の役柄の得太の兄・哲雄を演じられました。

佐藤「孝之と僕はいわば(「勇者ヨシヒコ」シリーズの)ヨシヒコと仏じゃないですか、世間的には。でも、ヨシヒコと仏もものすごく死ぬ気でやっているんです。仏なんかむちゃくちゃ稽古していますから!得太をやる、哲雄をやるというのは、それと同じ。シリアスとコメディーを分けるのもナンセンスだと思っていて、どちらも同じ地平にあるものなんです。でも一方で、監督としては『ヨシヒコと仏が得太と哲雄をやるというのは、世間の人をあっと言わせられるな』とは思いましたね」

山田「営業妨害になるから言わないでおこうと思ったんですけど、二朗さんは非常に真面目で器用な方なので、僕としても二朗さんに対してシリアスな芝居だからどうというのはないですね」

佐藤「"真面目"が営業妨害になる俳優って...(苦笑)」

文=原田健

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出演情報

<放送情報>
【日曜邦画劇場】
デイアンドナイト ゲスト:佐藤二朗、山田孝之
memo ゲスト:佐藤二朗、山田孝之
放送日時:2021年6月6日(日)22:00~連続放送 ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります


<映画情報>
はるヲうるひと
6月4日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー

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