吉田潮が語る、長谷川博己出演「デート~恋とはどんなものかしら~」の魅力

恋なんてしたくない男女2人がいつの間にか恋に落ちていく、古沢良太が描くラブコメディ「デート~恋とはどんなものかしら~」。恋の素晴らしさを改めて教えてくれる名作です。

■公務員×ニートの相性!月9史上最愛の作品

この10年、結婚の意義を改めて考えさせられるドラマが増えている。これもその一つ。「恋愛は無価値で、結婚は愛情ではなく理念が合致する相手とするべきだ」と豪語する恋愛不適合者の男女が、七転八倒しつつも好意を育むラブコメディ。

主人公・藪下依子(杏)は東京大学大学院→内閣府経済総合研究所という理数系のガチでエリート街道を突き進む29歳。几帳面をはるかに超越した合理主義者だが、目標に対しては努力を惜しまない真面目さに自負がある。「30歳の誕生日までに結婚する」を目標に婚活を始めて、うっかり出会ってしまったのが谷口巧(長谷川博己)だ。

教養と知識は無駄に豊富だが、母(風吹ジュン)に寄生するニートの35歳。自らを高等遊民と呼び、働かずに過ごせる人生を模索中。堅実で安定した国家公務員の依子に寄生しようと全力でアプローチしていく。

心の機微に疎く、悪気はなくても杓子定規な対話で敬遠される依子と、自分と異なる感性の相手を見下し、屁理屈武装する巧。不器用にも程がある生きざまにはいとおしさすら覚える。しかも腹を抱えて笑える。不器用な2人を嘲笑するのではなく、掛け違えの妙と根底に流れる人としての優しさが織り成す上質な笑いなのだ。必死のフラッシュモブプロポーズや完成度の高いコスプレシーンは必見!

杏&長谷川博己が出演する「デート~恋とはどんなものかしら~」

2人の恋模様を支えて見守るのは、幼なじみのヤンキー兄妹(松尾諭・国仲涼子)に、超絶好青年の鷲尾(中島裕翔)。依子の亡くなった母(和久井映見)も守護霊(?)として登場する。結婚を巡る藪下家&谷口家の親子愛も心を和ませる。過去のフジテレビ月9の中で一番好きなドラマです。

文=吉田潮

よしだ・うしお●'72年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

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放送情報

デート~恋とはどんなものかしら~
放送日時:2021年9月8日(水)12:10~
チャンネル:フジテレビTWO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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