心が震えるような演技!三浦春馬、主演作「天外者」で見せた圧倒的な情熱

「天外者(てんがらもん)」
「天外者(てんがらもん)」

三浦春馬が主演した歴史群像劇『天外者(てんがらもん)』。三浦が、激動の幕末から明治初期を日本の未来のために駆け抜けた実業家・五代友厚を演じ、そのほとばしる清らかな情熱に圧倒されてしまう。

ロングラン上映など大きな反響を呼んだ三浦春馬の主演作「天外者(てんがらもん)」
ロングラン上映など大きな反響を呼んだ三浦春馬の主演作「天外者(てんがらもん)」

(C)2020 映画「五代友厚」製作委員会

10月16日(土)にWOWOWプライムにて放送される本作の主人公・五代友厚は、武士の魂と商人の才を持ち、薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となって、今日に続く商都大阪の基礎を作り上げた男。東の渋沢栄一、西の五代友厚とも評される功績を挙げながらも長らく歴史に埋もれていたが、近年、その真価が再認識されている人物だ。『利休にたずねよ』(2013年)、『海難1890』(2015年)などの田中光敏監督と脚本家の小松江里子がタッグを組み、若き薩摩藩士・五代才助(後の友厚)が同世代の若者たちと親交を結び、厳しい現実と立ち向かいながらも日本に新しい風を起こそうとする姿をオリジナル作品として描いている。

全編にわたって、五代の燃え盛る魂を体現した三浦の熱演に心が震えるような青春劇。本作で初めて時代劇の主役を務めた三浦だが、人を斬らないと決めている五代の殺陣のシーンもお見事で物語のスタートから一気に引き込まれる。

「天外者(てんがらもん)」
「天外者(てんがらもん)」

(C)2020 映画「五代友厚」製作委員会

少年時代より発想力にとんでいた五代は、先進的な考えとともに、大胆さや冷静さも持ち合わせていた。自分が日本を変えてみせるとまっすぐに走り出す勢いのよさ、同志と語り合う熱っぽさ、子どもたちとはしゃぐ笑顔、ささいな夢を思い描く女性に傾ける優しさなど、実に多面的な魅力を持っている。

三浦は躍動感たっぷりに五代の生き様を表現しており、坂本龍馬(三浦翔平)や岩崎弥太郎(西川貴教)、伊藤博文(森永悠希)ら偉人たちの中にあって、五代の存在感がくっきりと浮き上がってくる。とりわけ印象的なのが、目に宿した美しい光。情熱は人を巻き込んでいく力があることが、その瞳にも映し出されている。

田中監督は舞台挨拶のステージで、三浦について「大人の男性の魅力があって、美しくて芯をしっかり持っている役者」と語っていた。また、坂本龍馬役の三浦翔平は、オフの日にも落ち合って、一緒に映画のために本読みをしていたそうで「(三浦春馬は)自分のことよりも、共演者やスタッフさん、そういう方たちを、自分以上に見て、自分以上に大切にしている人だった」と語り、五代の母を演じた筒井真理子は「役作りすることなく、彼に寄り添えば、私は母になれると思った」と目をうるませるなど共演者陣も五代という役柄と重ねながら、それぞれが三浦の人柄を称えていた。そういった言葉を聞いても、彼にとって五代や本作との出会いは、運命的なものだったように感じられる。

「天外者(てんがらもん)」
「天外者(てんがらもん)」

(C)2020 映画「五代友厚」製作委員会

残念ながら本作の公開記念舞台挨拶の場に三浦は立つことができなかったが、観客はしっかりと彼と五代の熱を受け取り、公開後も上映館の追加や上映期間の延長、再延長、ロングランを果たすなど、大きな反響を呼んだ。五代が"前に進む力"について全身全霊を込めて語るシーンも忘れがたく、コロナ禍において予測困難な時代となった今、たくさんの人々に勇気と希望を与えてくれるはずだ。

文=成田おり枝

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放送情報

天外者(てんがらもん)
放送日時:2021年10月16日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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