役者として連続テレビ小説「まんぷく」「エール」や「プロミス・シンデレラ」(TBS)などに出演し、「カモフラージュ」「累々」といった小説も手がける松井玲奈。11月26日(金)に公開される『幕が下りたら会いましょう』は、松井の映画初単独主演作として注目度が高まっている。
実家の美容室を手伝いながら、売れない劇団を主宰する劇作家の麻奈美(松井)。劇団員の結婚祝いで集まってバカ騒ぎをしていたある夜、妹の尚(筧美和子)が資材置場で亡くなった。その日、尚からの電話に出なかった麻奈美は複雑な思いを抱えてしまう。過去と現実、さまざまな出会いと再会の"揺らぎ"の中で麻奈美が見つけたものは...。
今回のインタビューでは、本作にかける思いを、撮影中のエピソードを交えながら語ってもらった。
――映画初単独主演作となりますが、オファーがあった時の気持ちは?
「映画で単独主演させていただくことは、1つの目標でもありましたのでとても嬉しく、ありがたいなと思いました。大切に演じ、作品ともじっくりと向き合いたいなって。実際、割と早い時期、台本の第一稿ができたくらいから、監督さんやスタッフの方たちと一緒に作品に携わらせていただけたので、撮影に入る前の準備段階で物語としっかり向き合うことができました」
――最初に台本を読んだ時の印象も聞かせてください。
「プロットの段階から、両親の違う姉妹の物語で、"家族を再生していく"ということが強く打ち出されていました。そこから1本の映画にするために"観る方に何を伝えたいのか"とか"作品の軸を何にしていくのか"ということを監督さんたちとたくさん話をしました。
私自身、物語を書くということもしていますけど、このように脚本の段階から入って、いろんな方と話し合って物語を作っていくという経験はなかったので、すごく勉強になりましたし、"映画ってこういうふうに作られていくんだな"って、過程を知ることができたのも嬉しい時間だったなと思います」
――演じている"麻奈美"は、松井さんから見てどういう人物ですか?
「すごく内にこもっている人で、感情をあまり表に出さないというか、感情を表現する時に"ムスッとする"というのが最初に出てきてしまう女性だと思いました。それは怒っている時はもちろん、嬉しくても悲しくても。本読みの段階でも監督と話し合って、撮影中も『もっとぶっきらぼうでいいです』とか『もっと感情を出さないように言ってほしい』とか、すり合わせながら作っていったので、演じながら"麻奈美"という人の感覚を掴んでいくことができました。確執のある母親と向き合う時だったり、妹の死と直面した時に、彼女の内側で起こっているものが物語の中でどう変化していくかを表現するのは、難しくもあり、楽しくもあり、という感じでしたね」
作品情報
映画『幕が下りたら会いましょう』
2021年11月26日(金)公開
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